2004 Fiscal Year Annual Research Report
末分化細胞に対する心筋化誘導によって獲得した心臓特異的イオンチャネルの分子機構
Project/Area Number |
15590759
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
小野 克重 大分大学, 医学部, 教授 (40253778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 泰成 大分大学, 医学部, 助手 (10336266)
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Keywords | 分化心筋 / イオンチャネル / 転写因子 / Csx / Nkx2.5 / GATA4 / MEF2C / 自動拍動 |
Research Abstract |
胎児性癌由来細胞のSub LineであるP19CL6細胞をdimethyl sulfoxide処理すると10日で心筋細胞に分化することが確認された。心筋分化前のP19CL6細胞の内因性イオンチヤネル電流、イオン輸送体電流、及び細胞内電位を記録して心筋分化後電流の対照記録した。静止細胞では静止電位が浅く(-31±6mV)、自動拍動が記録されなかった。自動拍動の主成因であるL型CaチャネルとT型Caチャネル電流は一切記録されなかった。更にIfチャネル(過分極誘発内向き電流)は僅少であった一方、dimethyl sulfoxide処理して心筋細胞に分化した細胞は自動拍動を示し、その最大拡張期電位は-59±3mVを示した。分化刺激前のP19CL6細胞の細胞全体電流記録法と同様の方法で、Naチャネル電流L型Caチャネル電流、T型Caチャネル電流及び過分極誘発内向き電流(If電流)を記録した。 (1)分化誘導細胞の単一チャネル電流記録と解析:P19CL6細胞誘導心筋細胞のイオンチャネルの単一チャネル記録を行い、そのキネティクスとToxin感受性を既知のヒト心筋チャネルのそれと比較した。特に、刺激伝導で主要な役割を果たすNaチャネルでは心筋型NaチャネルはTTX(tetrodotoxin)感受性が骨格筋、神経型Naチャネルより100倍ほど低いため、発現Naチャネルと正常ヒトNaチャネルの分子構造の比較に先立って電気薬理学的性質の差異を明らかにした。 (2)興奮収縮連関の成立機転と総括:イオンチャネル等のイオン電流の誘導とアクチン-ミオシン等の収縮蛋白質の誘導によってP19CL6細胞が心筋細胞に特徴的な形質に分化するとき、その興奮収縮連関の成立条件を主にイオンチャネル電流の電流密度と収縮蛋白質の発現量から判断した。自動能の責任イオンチャネルの同定は心室筋型心筋化と洞房(房室)結節型心筋化の分化誘導の指標としCsx/Nkx2.5、GATA4、及びMEF2Cのイオンチャネル誘導作用を明らかにした。
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Research Products
(2 results)