2003 Fiscal Year Annual Research Report
ブタモデルを用いた冠微小血管攣縮性狭心症の病態解明と治療
Project/Area Number |
15590762
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
石橋 敏幸 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (00223024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 幸夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90004712)
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Keywords | 冠微小循環 / 攣縮 / 内皮損傷 / アセチルコリン / エンドセリン |
Research Abstract |
冠微小循環障害の原因として、冠微小血管の攣縮が注目されているが、その病因、病態、治療は不明な点が多い。本研究の目的は、我々の開発したブタ冠微小血管攣縮モデル(Cardiovasc Res 1998;38;772-781,J Am Coll Cardiol 2001;37;308-315)を用いて冠微小血管攣縮の発現に関与する因子を明らかにし、その本態に迫ることである。本年度の研究成果は以下の通りである。 ブタ冠動脈左前下行枝(LAD)の内皮細胞を2週間毎に4回バルーン損傷し、LAD血流と体表面心電図をモニターしたところ、心電図にてST低下を伴う冠血流の低下を認め、自然発症の冠攣縮が内皮損傷の繰り返しにより誘発されたと考えられた。その冠攣縮における微小血管床の関与をさらに検討するために、同モデルに0.05μg/kgの少量のアセチルコリン(ACh)を冠動脈内投与したところ、LADバルーン損傷部では冠血管の狭窄は起こらず心電図のST低下を伴う著明な冠血流低下を認めた。これらの所見より、ACh投与により何らかの因子を介して冠微小血管の攣縮が誘発されたことが強く示唆された(Coronary Artery Disease, in press)。そこで、そその誘発因子を同定する為にACh投与前後にて冠状静脈洞にて各種因子を測定したところ、ACh投与によりエンドセリン-1(ET-1)が有意に増加していることが判明した。さらに、冠微小血管レベルでeNOS発現も低下していた。また、バルール4回損傷モデルではベースラインの活性酸素種(ROS)産生が増加していた。そこで、ET-1 A型受容体拮抗薬を内皮損傷モデルに投与したところ、ACh誘導による冠血流低下、eNOS発現低下、ROS産生が阻止された。これらの事実はLAD内皮損傷はその末梢微小血管の内皮細胞不全をひきおこし、ROS産生も巻き込んでET-1産生を高め、ET-1が冠微小血管攣縮の一因と考えられた。これらの成果は本年の日本循環器学会総会で発表した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Saitoh S, Ishibashi T, Maruyama Y et al.: "Repeated epicardial coronary artery endothelial injuries lead to a global spontaneous coronary artery spasm"Coronary Artery Disease. In press. (2004)