2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590764
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
山川 正 横浜市立大学, 医学部附属病院, 準教授 (30264641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 俊一 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (40236592)
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Keywords | 酸化LDL / p38MAPK / Id3 / 血管平滑筋 |
Research Abstract |
酸化LDLは血管平滑筋に対する分化、増殖、遊走促進作用を有し、動脈硬化の成因として非常に重要であるが、その機序は不明であった。そこで、酸化LDL刺激により発現する遺伝子をDNAチップを用いて網羅的に解析し、helix-loop-helix Id3(Id3)の発現亢進、サイクリン依存性キナーゼ抑制因子(CDKインヒビター)であるp21WAF/Cip1とp27Kip1発現の低下が認められた。酸化LDLによるId3発現亢進はId3 promotor/luciferaseのchimera plasmidを用いた検討から、転写の亢進及びmRNAの安定化によるものであることが明らかとなった。 更に、Id3発現亢進はp38MAPKの阻害剤SB203580およびp38MAPKのdominant negative mutant用いた検討により、p38MAPKを介していることが示唆された。 次に、Id3 dominant negative mutantを強制発現させたところ、p21WAF/Cip1とp27Kip1発現の低下傾向が認められたが、その効果は部分的であり、他の機序が示唆された。 最後に酸化LDL刺激した血管平滑筋よりタンパクを採取しId3と相互作用を示すタンパクを検索し、現在データを解析中である。 以上のように酸化LDLは血管平滑筋増殖作用は細胞周期関連蛋白であるhelix-loop-helix Id3が関与していることが明らかとなった。しかし、まだ不明な点も多く残されており今後の検討が必要である。
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