2003 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤代謝関連DNAアレイの開発と心血管手術症例での個別化医療のための研究
Project/Area Number |
15590768
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
中居 賢司 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (90146035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中居 惠子 岩手医大学, 医学部, 講師 (40227723)
幅野 渉 岩手医大学, 医学部, 助手 (50332979)
泉本 浩史 岩手医大学, 医学部, 講師 (10265150)
守屋 彰悟 日清紡績株式会社研究, 開発センターG201G, 研究員
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Keywords | 個別化医療 / CYP2C9 遺伝子多型 / 薬物療法 / 人工弁 / DNAアレイ |
Research Abstract |
薬物に対する反応性の違いを個人レベル・遺伝子レベルで予測し、副作用の少ない医薬品の適正投与を推進するためのDNAアレイの開発は重要な課題である。CYP2C9は、S-warfarinを不活性化産物に転換する主要な酵素である。今年度、CYP2C9遺伝子多型の解析法確立と人工弁術後にワーファリンを内服している患者において塞栓あるいは出血イベントの副作用を回避すべくCYP2C9多型の意義を検討した。対象として、ワルファリン薬物投与を受けなかった340人の対照患者(日本人140例、イスラエル人200例)と人工弁置換術後にワーファリン療法の必要な患者17例(AVR8例、MVR2例、Bentall 2例、その他5例)を登録した。リアルタイムPCRによってCYP2C9遺伝子多型<CYP2C9*2変異(C416T)とCYP2C9*3変異(A1061C)>の解析法を確立した。日本人健常者140例では、CYP2C9*1/2の変異が2例(140例中)検出された。イスラエル人ではCYP2C9*2,CYP2C9*3の変異は10〜15%と日本人より高頻度であり、日本人とイスラエル人との民族間でCYP2C9遺伝子多型の頻度に明らかな差を認めた。(第51回日本心臓病学会発表)。人工弁置換術後にワーファリン療法を受けている患者17例のCYP2C9遺伝子型は、全て野生型(CYP2C9*1/*1)であった。CYP2C9野生型(CYP2C9*1/*1)の患者17例のPT-INRは2.0±0.4であり、弁置換術施行例のワルファリン維持量は、3.0±0.7mgであった(第68回日本循環器学会発表)。平成15年度には、リアルタイムPCRによる遺伝子多型の解析と平行して、OligoARRAY法によるプロトタイプを日清紡と共同開発した。基本原理について平成16年度内に特許申請予定である。平成16年度には、OligoARRAY法の精度について検証する。平成16年度、更に人工弁手術後の症例を登録して、抗凝固療法におけるCYP2C9多型の個別化療法での意義を検証する。
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[Publications] 中居賢司, David Gurwitz.: "リアルタイムPCR法によるCYP2C9遺伝子多型解析法の開発と民族間差異"日本心臓病学会誌. (2003)
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[Publications] 中居賢司, 泉本浩史, 他: "Clinical Significance Of CYP2C9 Gene Polymorphisms By Rapid Cycle Real-Time PCR In Patients Receiving Warfarin Therapy"Circulation J. 66. 448 (2004)
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[Publications] Nakai K, Habano W, Nakai K, Fukushima N, Fujita T, Gurwitz D: "Ethnic Difference of Coronary Artery Disease-associated SNPs in Two Israeli Healthy Populations Using MALDI-TOF Mass Spectrometry"Life Sciences. (In print). (2004)