2004 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤代謝関連DNAアレイの開発と心血管手術症例での個別化医療のための研究
Project/Area Number |
15590768
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
中居 賢司 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (90146035)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉本 浩史 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10265150)
幅野 渉 岩手医科大学, 医学部, 講師 (50332979)
中居 惠子 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40227723)
守屋 彰悟 日清紡績株式会社, 研究開発センター201G, 主任研究員
|
Keywords | SNP / CYP2C9 / ワーファリン / XII因子遺伝子 / real-time PCR法 / OligoArray法 / 人工弁置換術 |
Research Abstract |
遺伝子1塩基多型(single nucleotide polymorphism ; SNP)は、蛋白構造や機能の変化を有し、各個人の表現型や疾患に対する感受性の差を反映する有用な遺伝子マーカーであり注目されている。 本研究では、抗凝固療法の主要な薬剤であるワーファリンの代謝関連酵素(特にCYP2C9)と凝固関連遺伝のSNPを解析するDNAアレイを開発した。民族間での差異および心臓弁膜症の手術例(人工弁置換術)でワーファリンによる抗凝固療法施行例に応用して個別化医療を行う上での検証を行った。 1)平成15年度にはreal-time PCR法およびOligARRAY法で、ワーファリンの主な薬物代謝酵素であるCYP2C9の遺伝子SNPs<CYP2C9*2(C416→T ; Arg144Cyc),CYP2C9*3(A1061→C ; Ile359Leu)と凝固関連遺伝子SNPs(XII因子遺伝子46C/T、Protein C 2148A allele、Protein S Tokushima)の解析を行った。日本人149例とイスラエル人380例で上記SNPを解析した。代謝能が低いとされるCYP2C9*3変異の頻度は日本人で低値であった。2)OligoArray法を利用したDNAアレイの開発とOligoArray法の解析精度の検証を行った。OligoArray法はPCRの後、ガラス基板上にSNPに特異的なDNAオリゴを固定化してPCR産物とハイブリダイズさせ、SNP変異に伴う発色を光学的に検出した。その解析精度について直接塩基解析法およびreal-time PCR法と一致した。3)心臓弁膜症の人工弁置換術例24例を登録して、充分なインフォームドコンセントに基づき同意に基づき遺伝子を採取してCYP2C9遺伝子多型を解析して臨床イベントと凝固の指標であるプロトロンビン時間(PT-INR)を経時的に測定した。人工弁置換術24例のCYP2C9はすべて野生型で、PT-INRは2.0±0.4(平均ワーファリン投与量3.0±0.7mg)であった。ワーファリンによる抗凝固療法施行例に応用してSMPを解析して個別化医療を行う上での基盤研究が確立できた。
|
Research Products
(3 results)