2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚性幹細胞から再生された心筋の電気生理学的検討
Project/Area Number |
15590775
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平山 悦之 日本医科大学, 医学部, 助手 (50322516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 誠子 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00177718)
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Keywords | 幹細胞 / イオンチャネル / Na / K ATPase / Na / Ca交換系 / 心筋細胞 |
Research Abstract |
幹細胞(mES細胞)は多分化能を有し臨床応用へめ期待が高まっている。しかしES細胞から心筋への分化機序とくに非興奮性細胞(ES細胞)から興奮性細胞(心筋細胞)へ分化する機序は明らかではない。特に心筋細胞が恒常性を維持しするために重要なNa/K ATPaseやNa/Ca交換系の発現過程ではいまだ不明である。本研究ではこの点を明らかにするために以下のような検討を行った。ES細胞および心筋への分化初期(4-6days)、中期(7-11days)および後期(12-18days)の四期に分けそれぞれの時期でのNa/K ATPaseおよびNa/Ca交換系電流を測定した。その結果いずれの電流もES細胞から心筋分化へかけて時間依存性に電流量が増大することがわかった。次にRT-PCR法を用いてNa/KATPaseのα1、α2、α3の各サブユニットのmRNAの発現をES細胞と各stageの心筋細胞で比べてみるとα1とα3サブユニットはES細胞から各発生時期にわたって広く発現が認められた。しかしα2サブユニットはES細胞では発現していないものの心筋発現の初期から後期に向けて発現していた。また、Na/Ca交換系に関してはisofom1(NCX1)のmRNAもES細胞の段階から発現しており、心筋細胞への成熟化と共にそのmRNA発現量が増加することがわかった。心筋発生中期においてNa/Kpump機能を抑制すると細胞内Ca濃度のoscillationが起きたことから、心筋発生中期よりNa/KATPaseα2サブユニットとNa/Ca交換系との間で機能的なcouplingが生まれることが示唆された。このようにES細胞から心筋細胞への分化過程でNa/K ATPaseとNa/Ca交換系の発現過程およびその機能的連関が生まれていく過程を明らかにすることができた.
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Research Products
(1 results)