2004 Fiscal Year Annual Research Report
ノックアウトマウスを使ったIL-1、IL-6、TNFの血管新生での新たな役割の追求
Project/Area Number |
15590778
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Research Institution | Kyoto Prefectural University School of Medicine |
Principal Investigator |
沖垣 光彦 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (10333197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 弘明 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10239072)
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Keywords | IL-1beta / 血管新生 / VEGF / 血管芽細胞 |
Research Abstract |
血管新生におけるIL-1betaの役割を、IL-1betaのノックアウトマウスに、大体動脈結紮による下肢虚血モデルを用いて追求した。まず、虚血作製後24時間内において、野生型マウスの虚血組織中にIL-1betaの発現誘導が見られた。同欠損マウスにおいては、虚血組織における血流の回復が、野生型にくらべ40%程度低下し、それは、血管内皮細胞の増殖能の低下による同細胞数の減少によった。加えて、IL-1betaの虚血筋への補償的投与により血流の回復が、野生型に近い程度まで回復した。またIL-1beta欠損マウスでは、虚血組織におけるHIF1alpha発現および、引き続くVEGF、HGF及び、MCP-1の産生誘導が障害されていた。さらに、虚血作成後、第1-3日において、野生型マウスにおいては、末梢血液中に、Lin-CD34-Flk-1+のマーカーをもつ幼若な血管芽細胞がFACS解析により検出できたが、IL-1beta欠損マウスにおいては、同細胞が殆ど検出できなかった。加えて、IL-1betaの投与により、同細胞の末梢血液中への動因が回復し、また、抗VEGF抗体とIL-1betaとの同時投与により、その動員が完全に阻害された。さらに、Lin-CD34-Flk-1+細胞は、接着因子として、alpha4インテグリンを発現しており、それに対応する接着因子であるVCAM1の発現が、野生型マウスとくらべ、IL-1beta欠損マウスの虚血筋、血管内皮細胞上において極めて低下していた。以上、IL-1beta欠損マウスの解析により、1)IL-1betaは、虚血組織において発現され、VEGFの発現を誘導し、そのVEGFが末梢血液中への血管芽細胞の動員をもたらす、2)さらに、IL-1betaにより虚血部の血管内皮細胞に発現誘導されたVCAM1を介し、同細胞が虚血部に遊走し血管新生を行う、事が解明された。
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Research Products
(1 results)