2003 Fiscal Year Annual Research Report
心房細動の個別化治療をめざした標的イオンチャネルの解明
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15590784
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Research Institution | The Cardiovascular Institute |
Principal Investigator |
山下 武志 財団法人心臓血管研究所, 第三研究部, 部長 (20302721)
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Keywords | 心房細動 / イオンチャネル / 概日リズム / ストレス / 肺静脈 |
Research Abstract |
さまざまなラット心房細動モデルをシミュレーションし、multiprobe ribonuclease assayにより、イオンチャネル遺伝子発現のスクリーニングを行った。(1)心房細動は概日リズムを呈する不整脈であり、これまで自律神経機能との関連で検討されてきたが、申請者らははじめてイオンチャネルの遺伝子発現にそもそも概日リズムがあり、明期と暗期で心筋に発現するイオンチャネル量が異なることを見出した。Kv1.5チャネルは暗期に、Kv4.2チャネルは明期に増加しており、このことは蛋白、イオン電流量も同様であり、概日リズムを呈する不整脈の分子生物学的基盤が明らかとなった。(2)ストレスは心房細動誘発因子として古くから知られているが、この背景にグルココルチコイドによるKv1.5チャネルおよびKir2.2チャネルのupregulationが存在することを明かにした。このモデルは再現性をもって心房細動が誘発可能であり、イオン電流レベルでの解析を進行させている。(3)さらに近年、心房細動の契機として肺静脈の重要性が指摘されているが、肺静脈と左房のイオンチャネル発現プロファイルを比較し、肺静脈にはKv1.5チャネルとHCN4チャネル発現が豊富であり、かつ不均一に分布していることをin situ hybridizationおよび免疫組織学的に確認した。このように心房細動はひとつの表現型であるが、その背景にある分子生物学的実態には多様性があることが判明している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamashita T, Sekiguchi A, Iwasaki Y, Sagara K, Iinuma H, Hatano S, Fu L-T, Watanabe H.: "Circadian variation of cardiac K+ channel gene expression."Circulation. 107. 1917-1922 (2003)
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[Publications] Yamashita T, Sekiguchi A, Iwasaki Y, Sagara K, Hatano S, Iinuma H, Aizawa T, Fu L-T.: "Thrombomodulin and tissue factor pathway inhibitor in endocardium of rapidly paced rat atria."Circulation. 108. 2450-2452 (2003)
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[Publications] Yamashita T, J-RHYTHM investigators: "Investingation of the optimal treatment strategy for atrial fibrillation in Japan-The J-RHYTHM study design."Circulation J. 67. 738-741 (2003)