2004 Fiscal Year Annual Research Report
肺におけるストレス蛋白発現機序の解析と、それによる肺傷害克服の検討
Project/Area Number |
15590800
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
丸山 宗治 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (40201785)
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Keywords | heat shock protein / geranylgeranylacetone / geranylgeraniol / 細胞保護 / 分子シャペロン誘導体 / 過酸化水素 |
Research Abstract |
1.目的: 平成16年度の研究では、平成15年度の研究に引き続き胃粘膜上皮細胞を用いた実験でheat shock protein inducerとして働くことが確認されているgelanylgeranylacetone(GGA)及びgelanylgelaniol(GGO)がヒト気道上皮細胞モデル(A549細胞、BEAS-2B細胞)に対して(1)直接的な細胞毒性があるかどうか、(2)heat shock protein 72(HSP72)を誘導できるかどうか、(3)オキシダントの一種である過酸化水素(H_2O_2)による気道上皮細胞障害に対して、GGAあるいはGGOが細胞保護作用を認めるかどうかを検討した。 2.方法: (1)HSP72の発現はウェスタンブロット法で解析し、(2)GGA・GGOの細胞毒性、および、H_2O_2に対するGGA・GGOの細胞保護作用の検討はMTT法を用いた。 3.結果: (1)GGA(0-10μM)、72hr暴露はA549細胞に対してvehicleと比較して有意な細胞毒性を示さなかった。 (2)heat shock stress(43℃、1hr)と亜ヒ酸がA549細胞およびBEAS-2B細胞にHSP72を誘導したのに対して、GGAおよびGGO刺激は同種細胞にHSP72を誘導できなかった。 (3)H_2O_2暴露前にA549細胞をGGAあるいはGGO共存下で培養しても、vehicleと比較して細胞死に対する有意な抑制効果を認めなかった。 4.結語: 今回の検討において、GGAおよびGGOはヒト気道上皮細胞に対して明らかなheat shock protein誘導作用を認めず、また、H_2O_2による同種の細胞の障害に対しても保護作用も確認できなかった。
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