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2003 Fiscal Year Annual Research Report

肺癌の浸潤・転移におけるテトラスパニンタンパクの役割の解明

Research Project

Project/Area Number 15590807
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

川瀬 一郎  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10161324)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 大崎 匡  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50324778)
立花 功  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60324761)
Keywords肺癌 / テトラスパニン / CD9 / インテグリン / 転移 / 細胞運動 / 細胞接着
Research Abstract

われわれはまず、17の小細胞肺癌培養株と13の非小細胞肺癌培養株を対象に、肺を含む多くの正常組織に存在する6種のテトラスパニン(CD9、CD63、CD81、CD82、CD151、NAG-2)の発現をフローサイトメトリーで検討した。その結果、ほとんどの非小細胞肺癌培養株がCD9陽性(12/13)であるのに対し、小細胞肺癌ではCD9を発現している培養株はわずかであった(3/17)。他の5種のテトラスパニンについては、小細胞肺癌と非小細胞肺癌との間で大きな差は認められなかった。RT-PCR法により、小細胞肺癌でのCD9減少は主としてmRNAレベルで起こっていることが確認された。このCD9発現低下が小細胞肺癌の細胞生物学的特性にどう寄与しているのかを検索するために、CD9を発現していない培養株OS3-R5にCD9 cDNAをトランスフェクションした。親株とCD9トランスフェクタントでは細胞増殖・接着に差は認められなかったが、細胞外基質タンパクであるフィブロネクチン上での細胞運動に差異が認められた。すなわち、CD9トランスフェクタントでは親株に比べ、細胞運動が約20%に低下した。親株の運動は接着分子β1インテグリンに対する抗体で抑制され、またトランスフェクタントに導入されたCD9はβ1インテグリンと複合体を形成することから、CD9はβ1インテグリンを介する細胞運動を抑制する機能を持つと考えられた。この結果に一致して、CD9陰性の小細胞肺癌とCD9陽性の非小細胞肺癌培養株の細胞運動をフィブロネクチン上で比較したところ、前者において高運動性が認められた。さらに免疫組織染色で小細胞肺癌組織におけるCD9の発現を検討したところ、検索した7例全例で陰性であった。一方、分化型の肺腺癌は抗CD9抗体によって強く染色された。以上の結果から、小細胞肺癌では非小細胞肺癌に比べCD9が選択的に不活性化しており、このCD9減少が小細胞肺癌の高運動性に寄与していることが示された。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Funakoshi T: "Expression of tetraspanins in human lung cancer cells : frequent downregulation of CD9 and its contribution to cell motility in small cell lung cancer"Oncogene. 22. 674-687 (2003)

  • [Publications] 立花 功: "肺癌と転移抑制因子テトラスパニン"The lung perspective. 11・3. 354-360 (2003)

URL: 

Published: 2005-04-18   Modified: 2016-04-21  

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