2003 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌に対する成熟樹状細胞を用いた特異的免疫療法の臨床研究
Project/Area Number |
15590812
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西岡 安彦 徳島大学, 医学部, 講師 (70274199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楊河 宏章 徳島大学, 医学部・歯科部附属病院, 講師 (50263827)
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Keywords | 肺癌 / 特異的免疫療法 / 成熟樹状細胞 / MAGE-3 |
Research Abstract |
進行肺癌患者を中心に成熟樹状細胞を用いた特異的免疫療法の臨床第I相試験を開始した。樹状細胞の成熟化因子として以下の2点からOK432(ピシバニール^<【○!R】>)を使用した。効果的に樹状細胞の成熟化を誘導し、高い細胞障害性T細胞(CTL)の誘導能が報告されたこと、さらに既に治療薬として臨床で使用されておりより安全性が高いと考えられたことの2点である。我々も、OK432を用いて効率よくヒト樹状細胞の成熟化が誘導可能な点を確認した。また癌抗原ペプチドとしてMAGE-3ペプチドを使用した。HLA-A*2402患者を対象とした一回1x10^7個の樹状細胞を投与するグループ1に肺癌2例、メラノーマ1例をエントリーした。治療における有害事象は、grade2までの発熱と、grade1までの注射局所の皮膚反応(発赤、硬結)であり、重篤な有害事象は認められず、一回1x10^7個の樹状細胞は安全に投与可能であった。一方、4回のワクチン終了後にこのグループでMAGE-3ペプチドに対する遅延型皮膚反応(DTH)が陽転したのは3例中1例であった。さらに、コントロール抗原として用いたKLHに対しても、4回の投与終了後に始めてDTHが陽転した。このグループの3例においては、肺癌症例の1例で腫瘍マーカーの減少が認められたが、臨床効果は3例ともPDであった。そこで、一回3x10^7個の樹状細胞を投与するグループ2のエントリーを開始した。現在までに肺癌症例1例と膀胱癌症例1例を治療した。このグループにおける2例では、2例ともMAGE-3ペプチドに対するDTHが陽転化し、KLHに対するDTHは樹状細胞を2回投与後に陽転化し、明らかに免疫誘導効果が高いことが確認された。膀胱癌症例では、臨床的にSDであった(4ヶ月間)。次年度には、グループ2の1例と一回1x10^8個を投与するグループ3の治療を進める予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nishioka Y, et al.: "Differential effects of IL-12 on the generation of alloreactive CTL mediated by murine and human dendritic cells : A critical role for nitric oxide"J Leukoc Biol. 73・5. 621-629 (2003)
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[Publications] Mitani K, Nishioka Y, et al.: "Soluble Fas in malignant pleural effusion and its expression in lung cancer cells"Cancer Sci. 94. 302-307 (2003)
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[Publications] Yano S, Nishioka Y et al.: "Molecular mechanisms of angiogenesis in non-small cell lung cancer, and the rapeutics targeting related molecules"Cancer Sci. 94. 479-485 (2003)
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[Publications] Ogawa H, Nishioka Y et al.: "Adenoviral interleukin-12 gene transduction into human bronchial epithelial cells : up-regulation of pro-inflammatory cytokines and its prevention by corticosteroids"Clin Exp Allergy. 33. 921-929 (2003)
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[Publications] Tada H, Nishioka Y et al.: "Increased Binding and Chemotactic Capacities of PDGF-BB on Fibroblasts in Radiation Pneumonitis"Radiat Res. 159. 805-811 (2003)