2003 Fiscal Year Annual Research Report
喫煙が原因と考えられる急性好酸球性肺炎の発症機序に関する研究
Project/Area Number |
15590818
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
宮崎 英士 大分大学, 医学部, 講師 (00264333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深見 徹二朗 大分大学, 医学部, 助手 (30363568)
安東 優 大分大学, 医学部, 助手 (20336267)
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Keywords | 急性好酸球性肺炎 / 気管支肺胞洗浄 / TARC / MDC / 喫煙 / チャレンジテスト |
Research Abstract |
1.急性好酸球性肺炎患者の気管支肺胞洗浄液中ケモカイン、サイトカインの測定 急性好酸球性肺炎(AEP)患者10人に対して急性期に気管支肺胞洗浄(BAL)を施行し、ストックしておいたBALFを用いて、BALF中macrophage-derived chemokine (MDC), thymus- and activation- regulated chemokine (TARC), GM-CSF, IL-4,IL-5,IL-13をELISA法にて測定した。その結果、AEP患者のBALF中MDC値(median,1518pg/ml, range 0 to 15955pg/ml)は健常者(HV) (median,84pg/ml、range, 0 to 186pg/ml)と比較して有意に高値であった(P<0,005)。AEP患者に関して、BALF中MDC値とIL-4,IL-5,IL-13との相関を検討すると、いずれにおいても正の相関を示した。またTARC, GM-CSF, IL-4,IL-5,IL-13もAEP患者のBALF中に増加しており、TARCとIL-4,IL-13は正の相関を示した。 2,TARC、MDCの産生細胞 スライドに固定したBAL細胞について、抗TARC、抗MDC抗体を用いた免疫染色を行った。さらにCD68をマクロファージのマーカー、CD1を樹状細胞のマーカーとして二重染色を行いTARC, MDCの産生細胞を検討した。その結果、健常者、AEP患者ともに、CD68陽性の肺胞マクロファージにMDCの発現を認めた。一方、TARCに関してはAEP患者で少数(約5%)の陽性細胞を認めたが、健常者では陽性細胞を認めなかった。二重染色ではTARC陽性細胞はCD1陽性であり、樹状細胞と考えられた。 3.喫煙誘発試験によるBAL細胞からのTARC, MDCの産生 AEP患者に喫煙誘発試験を行い、その前後でBAL細胞を回収し、TARC, MDCの産生について検討した。喫煙チャレンジ前に回収したBAL細胞培養上清中TARCは41pg/mlであったが、喫煙チャレンジの16時間後にBALを行い採取した細胞の培養上清中TARCは915pg/mlと著明に増加していた。また、MDCはチャレンジ前(発症後11日目)においても4424pg/mlと高値であり、チャレンジ後は6432pg/mlと増加は軽度であった。
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