2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロイコトリエンと接着分子による好酸球の気道組織浸潤と活性化の調節機構の解析
Project/Area Number |
15590825
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
永田 真 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (20211443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 圭子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70348233)
山口 剛史 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (40337548)
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Keywords | 好酸球 / ロイコトリエン / 血管内皮細胞間隙遊走 / 活性酸素 / 接着分子 / 細胞接着 |
Research Abstract |
平成15年度に検証しえた、ロイコトリエン(LT)D4による好酸球の活性酸素産生におよぼす、遺伝子組み換えICAM-1ならびにVCAM-1の効果を検討する目的で、固相化した接着分子の存在下・非存在下で、好酸球の活性化実験を行った。その結果、これらの接着分子存在下でLTD4に曝露することにより、好酸球は相加的に活性化して活性酸素産生が生じることを見出した。上記における好酸球側の関与接着分子の同定目的で、好酸球を各種抗インテグリン抗体で処理したのちに、同様の実験をおこなったところ、抗α4インテグリン抗体あるいは抗β2インテグリン抗体によって抑制されることがみいだされ、好酸球接着分子由来のシグナルの関与が確認された。次に各種の好酸球活性化因子あるいはLTD4がCysLT受容体発現を修飾するか否かを検証する目的で、フローサイトメトリイを用いて、好酸球表面のCysLT1あるいはCysLT2受容体発現レベルを検討したが、PAF, IL-5,LTD4等のいずれも、これらの受容体発現水準を修飾しなかった。 なおLTD4による好酸球活性化に対する、既存の抗喘息薬の効果の有無を検証する目的で、抗ロイコトリエン薬と、代表的β2受容体刺激薬であるサルブタモールの好酸球活性酸素産生、ならびに好酸球のrh-ICAM-1への接着反応に対する効果を検討した。その結果、好酸球活性酸素産生ならびに接着反応のいずれもが前者により抑制されたにも関わらず、サルブタモールはこれをまったく修飾しなかった。この結果は、LTD4による好酸球活性化が喘息の病態に寄与した場合、β2受容体刺激薬にその制御を期待しえないことを示唆すると考えられた。一方で、抗ロイコトリエン薬はLTD4による好酸球の血管内皮細胞間隙遊走については抑制したものの、CCケモカインやPAFなどによる遊走反応は修飾しないことが見出され、抗ロイコトリエン薬の抗炎症活性は、基本的にLTに対する特異的な拮抗部分のみに帰すると考えられた。
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Research Products
(2 results)