2003 Fiscal Year Annual Research Report
糸球体上皮細胞の分化と形態・機能維持におけるサイクリン依存性キナーゼ5の役割
Project/Area Number |
15590843
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
廣村 桂樹 群馬大学, 医学部, 助手 (70292597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 美久 群馬大学, 医学部, 教授 (90201699)
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Keywords | 糸球体上皮細胞 / サイクリン依存性キナーゼ / CDK5 / 細胞周期制御蛋白 / 分化 / 腎炎 |
Research Abstract |
課題(1)「マウス培養糸球体上皮細胞の分化、形態維持におけるCDK5の役割の解明」 マウス培養糸球体上皮細胞にサイクリン依存性キナーゼ5(CDK5)特異的阻害剤を添加することで、上皮細胞内のアクチン繊維の再構築がおこる。この時の細胞内における変化について検討。CDK5の特異的阻害剤により、p35/CDK5によりリン酸化される蛋白である、β-cateninの細胞内の局在(核・細胞質)に変化が見られることが観察された。現在、β-cateninの細胞内局在の変化と、アクチン繊維の再構築の関係について検討中。また、CDK5の活性化蛋白であるp35に対するアンチセンス療法を検討中である。 課題(2)「ラット腎炎モデルを用いて糸球体上皮細胞障害時ならびに修復時におけるCDK5の役割の解明」 ラット糸球体上皮細胞障害のモデルである、半月体形成性腎炎においては、糸球体上皮細胞の脱分化に伴い、CDK5の発現の低下が認められた。現在、アミノヌクレオシド腎症を作成して、ネフローゼ状態におけるCDK5の発現、活性化状態などを検討中である。 課題(3)「ヒト腎炎組織におけるCDK5の発現の検討」 ヒトの各種腎生検組織におけるCDK5とその活性化蛋白であるp35について、糸球体上皮細胞における発現について検討をおこなっている。また、活性化されたリン酸化状態のCDK5(p-CDK5)についても検討中。
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