2004 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧病態での血管平滑筋細胞と内皮細胞におけるカリウムチャネル変化のメカニズム
Project/Area Number |
15590853
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
大屋 祐輔 琉球大学, 医学部, 助教授 (30240964)
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Keywords | カリウムチャネル / 高血圧 / 血管平滑筋 / 血管内皮 |
Research Abstract |
高血圧において血管平滑筋と血管内皮細胞のカリウムチャネル電流は減少している。このメカニズムに対して我々は1)チャネル数が減少している、2)チャネル活性が減少している、という二つのメカニズムを想定し、各々に対し、何がその変化を起こしているかを検討している。 高血圧自然発症ラットにおいて、血管平滑筋においては、チャネル数および活性の両者が減少していることが明らかとなった。とくに電位依存性カリウムチャネルのサブユニットのKv2.1のmRNA発現の現象が認められた。この変化は、アンジオテンシンII受容体拮抗薬による降圧治療により一部改善したが、血管拡張薬と利尿薬の併用では改善しなかった。よってこの変化は、レニンアンジオテンシン系が関与することが考えられた。 また、高血圧自然発症ラットの腸間膜動脈では活性酸素産生酵素であるNAD(P)H oxidaseのmRNAが増加し、活性酸素産生が増加していた。また、平滑筋細胞のカリウム電流は、活性酸素が増加した状態では減少することを見出した。このことより、高血圧ラットのカリウム電流の減少の一部は活性酸素を介することがわかった。
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