2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学的機能解析に基づくアンジオテンシンII受容体を標的とした新たな治療戦略
Project/Area Number |
15590871
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
三浦 伸一郎 福岡大学, 医学部, 講師 (20343709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朔 啓二郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40183371)
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Keywords | アンジオテンシンII / 情報伝達 / 自然活性 / 二量体 |
Research Abstract |
アンジオテンシンII(Ang II)は,最も重要な昇圧系のレニンーアンジオテンシン系の生理活性物質で、二つのサブタイプの受容体Ang II 1型(AT1R)および2型(AT2R)に結合し、細胞内へシグナルを伝達する。今回、AT1Rが細胞内のシグナルを選択的に情報伝達していることを発見した。Ang IIの1つの[Ile^4,Ile^8]AngIIというアナログを使用し実験したところ、このアナログではGタンパク質依存性のイノシトールリン酸産生は増加させなかったが、β-アレスチン依存性のphospho-p42/44 MAPキナーゼは活性化させた。このことは、AT1Rの出る細胞内シグナルを選択的に抑制することが可能であることを示唆している。さらに、私たちは、以前AT2Rは、Ang IIの結合無しに自然活性を持つことを報告したが、さらに、今回、その際AT2Rは、Ang II非依存性に細胞膜で受容体相互のS-S結合により二量体を形成し、アポトーシスのシグナルを細胞内へ伝達していることを見出した。また、sulfhydryl-specific alkylating reagentを使用したreporter cystein-accessibility mapping (RCAM法)の手法を用い、受容体構造を変化させること無く、シグナルを細胞内へ伝達していた。これらのことが今後の数多く存在するGPCRsの活性化機構の解明、そのアゴニストの発見、アンタゴニストの作製に有用なものとなると思われる。
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Research Products
(3 results)