2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト抗体産生マウスによる重症筋無力症の新しい診断法および治療法の開発―コンプリメンタリーペプチド理論の応用―
Project/Area Number |
15590889
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
荒賀 茂 鳥取大学, 医学部, 助教授 (40193065)
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Keywords | KMマウス / コンプリメンタリーペプチド / 重症筋無力症 / イディオタイプ抗体 / 抗イディオタイプ抗体 |
Research Abstract |
重症筋無力症(MG)のB細胞エピトープであるAChR61-76に対するコンプリメンタリーペプチドRhCA67-16ペプチドを作成し,ヒト抗体産生マウスであるKMマウスに感作を行ない,モノクローナル抗体2つを得た.この二つのモノクローナル抗体を使い,MG患者血清中のイディオタイプ抗体の検出を試みた.方法は,モノクローナル抗体(IgG1,kappaおよびIgG3,kappa)をbiotinで標識し,これをstreptavidineをcoatingした96穴ELISAplateに固着させた.このELISA plate に希釈患者血清と反応させ,モノクローナル抗体と反応するイディオタイプ抗体を回収した.回収したイディオタイプ抗体は,sandwich ELISAによるIgGの定量を行なった.測定感度は1.5μg/ml〜1.5ng/mlである。対象はMG患者38例(男性13例、女性25例、平均年齢49.4±14.9)と正常対照群37例(男性15例、女性22例、平均年齢42.9±6.1)で正常対照群のIgG量の平均値+3SDをcutoffとすると,0.41μg/mlが正常上限値となった.この正常上限値以上を陽性例と判定した。 MG38例のうち10例で陽性であった.AChR陽性群と陰性群にわけて検討すると,AChR陰性群ではすべてイディオタイプ抗体は検出されなかった. コンプリメンタリーペプチドモノクローナル抗体により,患者血清中のイディオタイプ抗体の検出が可能であった.今後この抗体により認識されるイディオタイプ抗体のMG惹起性の検討をする予定である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 荒賀 茂: "散在性壊死性白質脳症"日本臨床. II. 312-314 (2003)
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[Publications] 涌谷陽介, 荒賀茂, 中野俊也, 大浜栄作, 中島健二: "進行性多巣性白質脳症"日本臨床. II. 308-311 (2003)
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[Publications] 荒賀茂, 佐久間研司, 中野俊也, 中島健二: "重症筋無力症の抗アセチルコリンレセプター抗体の等電点電気泳動による解析"Neuroimmunology. 12. 56 (2004)