2003 Fiscal Year Annual Research Report
His46Arg点変異を示す家族性筋萎縮性側索硬化症の発症機構の研究
Project/Area Number |
15590899
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
大井 長和 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80135615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 創 宮崎大学, 医学部, 助手 (80253839)
山口 忠敏 宮崎大学, 医学部, 助教授 (80037598)
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Keywords | シュワン細胞 / ジヒドロピラジン / 交感神経細胞 / 神経成長因子 / 増殖関連蛋白 / 増殖抑制蛋白 / 家族性筋萎縮性側索硬化症 / Superoxide dismutase |
Research Abstract |
1.ラット不死化Schwann細胞(S16)に対するdihydropyrazine類(DHPs)とCuの作用を調べた。S16の培養系にDHPsの一つであるYl-3とCuをそれぞれ単独に添加して産生されるnerve growth factor(NGF)をEIAで測定し、増殖関連蛋白をWestern Blot法で計測した。NGFは、Yl-3が1.0,0.5,0.1,0.05,0.01,0.0mM濃度で添加24時間培養後にそれぞれ0.20,0.43,0.73,0.82,0.13,0.10pg/mlを示し0.05mMで最大を示すベル形分布を示した。増殖関連kinaseのERKは、YL-3濃度依存性に活性が増加し、CDK inhibitorのP27は減少した。NGFは、Cu濃度100,50μMで測定感度以下、10,5μMで0.26,0.14pg/mlを示した。ERKは、各濃度で0μMに比して減少し、P27は変化がなかった。このことから、DHPsは至適濃度を持つNGFの産生分泌効果を有し、ERK活性の増加と細胞増殖抑制蛋白のP27の発現の減少効果を認めたことから細胞増殖の促進作用があることを示唆した。Cuは、NGFの産生分泌の抑制作用を示し、ERKの減少もきたすことから増殖抑制効果を持つと考えられた。 2.交感神経細胞へのDHPsとCuの作用を調べるためにPC12細胞培養液中にNGFを添加してPC12を交感神経細胞に転化させ、さらにYl-3とCuを各々単独に添加してERKとP27の変化を測定した。Yl-3濃度依存性にERK活性は増加し、P27の発現は減少を認めた。Cuの各濃度でERKは、0μMに比して減少し、P27は変化がなかった。交感神経細胞に対してもDHPsは増殖関連kinaseの増加作用を示し、Cuは増殖抑制蛋白の増加作用を示した。
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