2004 Fiscal Year Annual Research Report
Crow‐Fukase症候群におけるVEGF過剰産生刺激因子の解析・同定
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15590901
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70250917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
有村 公良 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (20159510)
阿邉山 和浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員助教授 (30284897)
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Keywords | Crow-Fukase症候群 / POEMS症候群 / vascular endothelial growth factor / VEGF / 血小板 / 骨髄巨核球 / 胎生致死 / B細胞 |
Research Abstract |
我々はこれまでにCrow-Fukase症候群の患者血清においてVEGF-Aが著明に上昇することを報告し本症候群の鑑別診断に大きく貢献すること、VEGF-Aの生理作用が本症候群の病態に深く関与していることを報告してきた。今回、本研究により患者血清のVEGF-Aが全て血小板由来であること、患者由来血小板の抽出物質が有意に高い血管内皮細胞増殖活性を示すことを証明した。また、生理的にVEGF-Aは凝固反応の最終産物であるフィブリンclotに取り込まれ、血栓自体が血管新生を促すbioactive reserverである可能性を示した。Cre-LoxPシステムを用いた血小板特異的VEGF-A発現Tg-mouseの作成を試み骨髄巨核球におけるVEGF過剰発現マウスは胎生致死である可能性が示唆された。現在、マウス胎児のgenotypeを含め胎生致死のメカニズムを検討中であるが、この事実は骨髄巨核球が血小板の産生のみならず、発生過程における他の重要な機能を有していることを示唆する。今後、本症候群のモデルマウス作成を目的として、巨核球におけるVEGF-Aの発現を時間的に制御する系を導入予定である。更に本症候群における形質細胞とVEGF-Aの関連を明らかにするために、B細胞特異的VEGF-A過剰発現マウスの作成も終了した。本マウスはメンデルの法則に基づいて産子が得られた。現在観察中であるが、生後約5ヶ月経過した時点にて少なくともphenotypeにおいて明らかな浮腫・神経症状は認めていない。また、本症候群におけるVEGF過剰産生刺激因子同定のため、患者血清とコントロール血清のdifferential解析にて相違を示す分画をVEGF-Aプロモーターによるreporter gene assayにてVEGF-A誘導活性を検討したが、有意に産生・誘導活性を示す分画を得ることは出来なかった。本研究課題の達成のために、今後プロテオミクスの手法を用いた解析法を検討したいと考えている。
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Research Products
(4 results)