2003 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性神経変性疾患(特に痙性対麻痺)におけるAAAファミリー蛋白の機能解析
Project/Area Number |
15590903
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
瀧山 嘉久 自治医科大学, 医学部, 講師 (00245052)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 正豊 新潟大学, 医学部, 教授 (80198457)
|
Keywords | hereditary spastic paraplegia / spastin / AAA family protein / siRNA |
Research Abstract |
1.spastinの細胞内局在の解析 spastinの全長をGFP、Myc、Hisとの融合蛋白としてHelaおよびhNT2細胞に強制発現させたところ、正常蛋白もミスセンス変異蛋白(A486V)もともに細胞質に斑点状、もしくは核周囲に偏在して発現した。α-tubulin染色では、正常も変異蛋白も切断された微小管が観察され、微小管の染色性が低下した。我々はspastinにNES配列が存在することをはじめて見いだしたが、spastinの核外輸送には、70アミノ酸ほどの長い配列が必要であることが判明した。また、CRM-1の結合阻害剤であるLMBだけでなく、酸化剤(H_2O_2)によっても核外への輸送が阻害された。 2.抗spastin抗体の作成と発現・細胞内局在の解析 spastinのN末1-15アミノ酸の合成ペプチドに対するボリクローナル抗体を作成した。正常ヒト組織におけるspastinの発現量は腎臓で多く、筋肉では少なかった。中枢神経系では脊髄での発現が少なかった。抗体を用いた細胞内局在の検討では、内因性spastinは主として核に局在した。強制発現系とのspastinの局在の違いは、過剰発現によるものと思われた。 3.siRNAを用いた蛋白機能の解析 136ntから合成したsiRNAにおいて、mRNAの抑制効果が認められた。今後、spastin機能のknock downにより変化する遺伝子群について解析を行う予定である。 4.sacsin遺伝子変異の同定 我々は遺伝性痙性対麻痺の遺伝子解析において、本邦ではじめてsacsin遺伝子変異を見いだした(Neurology 2004年1月号)
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 瀧山嘉久: "遺伝性痙性対麻痺-最近の進歩-純粋型遺伝性痙性対麻痺,SPG4について"神経内科. 58. 237-243 (2003)
-
[Publications] Li M: "Physical map and haplotype analysis of 16q-linked autosomal dominant cerebellar ataxia (ADCA) type III in Japan."J Hum Genet. 48. 111-118 (2003)
-
[Publications] Takahashi K: "Temporal bone histopathology and quantitative analysis of mitochondrial DNA in MELAS"Laryngoscope. 113. 1362-1368 (2003)
-
[Publications] Ogawa T: "Identification of a SACS gene missense mutation in ARSACS."Neurology. 62. 107-109 (2004)