2003 Fiscal Year Annual Research Report
筋萎縮性側索硬化症の細胞変性におけるNOS-JNK-Cdk5リンケージ
Project/Area Number |
15590917
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
伊東 秀文 関西医科大学, 医学部, 助教授 (20250061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 誠二 関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
西澤 幹雄 関西医科大学, 医学部, 講師 (40192687)
日下 博文 関西医科大学, 医学部, 教授 (70250066)
中野 智 関西医科大学, 医学部, 講師 (30333206)
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Keywords | amyotrophic lateral sclerosis / SOD1 / iNOS / MAP kinase / JNK pathway / ER stress / GRP78 / karyopherin |
Research Abstract |
科学研究費補助金の助成を受けて、我々は平成15年度に以下の研究・実験を行った。 1.mSOD1 transgenic (Tg) mouseとiNOS knockout (KO) mouseの交配を行い、mSOD1 Tg/iNOS W/W, W/-, -/-の遺伝子型をもつmouseを作成した。 2.これらのmouseの臨床症候を観察し、それぞれの遺伝子型の発症前、発症早期、末期の環流固定および凍結脊髄標本を作成した。 3.mSOD1 Tg/iNOS W/Wおよびcontrolの環流固定脊髄標本において、以下の因子の細胞内局在を免疫組織化学的に検討し、以下の結果を得た。 (1)MAP kinase pathway :P38,MEK4,ERK,MAPKに対する抗体では、いずれも病的反応産物は認められなかった。 (2)ER stress :HSC70,HSP27,60,70,90,GRP78,94,ERP72,IRE1α,PDI,calnexin, calreticulinに対する抗体では、HSC70,GRP78,calnexinで好酸性封入体が陽性反応を示した。 (3)細胞内輸送系:α,β-tubulin, dynein, karyopherinβ-1,2,3に対する抗体では、karyopherinβ-1,2,3で好酸性封入体が陽性であった。 以上の結果から、mSOD1 Tg mouseの発症にER stressおよび細胞質-核間輸送の障害が関与している可能性が示唆された。一方JNK pathwayは重要な役割を果たしていない可能性が示唆されたが、NOS系の関与を抑制したmSOD1 Tg/iNOS KO mouseでは異なる役割を演じている可能性があるため、今後これらの遺伝子型のmouseにおいて検討を継続する。 上記の結果の一部は平成16年5月の日本神経学会および日本神経病理学会において発表する。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Nakano S, et al.: "Map kinase phosphatase-1 is induced in abnormal fibers in inclusion body myositis."Neurology. 61・3. 322-326 (2003)
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[Publications] Shinde A, et al.: "Nucleolar characteristics of reducing bodies in reducing body myopathy."Acta Neuropathologica. 107・3. 265-271 (2004)