2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトarea44は随意運動の重要な中枢である-磁気刺激法とfunctional MRIを用いた検討-
Project/Area Number |
15590918
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
魚住 武則 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00160226)
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Keywords | 磁気刺激 / 運動機能 / 44野 |
Research Abstract |
1.手の運動拙劣患者におけるarea44磁気刺激 目的:ヒトarea44は手の随意運動の重要な中枢と考えられる。手の随意運動障害におけるarea44の機能異常を明らかにする。 対象および方法:脱力はないが運動拙劣、不随意運動により手の随意運動障害を呈した患者20例を対象としてarea44を8の字コイルを用いて磁気刺激し、両手からMEPおよび表面筋電図の記録を行った。 結果:運動拙劣、dystonia例では高率にMEPが誘発されない、背景EMG活動に対する抑制・促通効果をみとめないなどの異常所見が認められた。 結論:本法によりarea44自体の異常を示す群とarea44と他の領域(M1など)との結合に異常がある群、両者とも異常を示す群に区分された。 2.発語障害患者における舌一次運動野・44野磁気刺激による運動誘発電位 目的:発語障害患者における中心前回下部・弁蓋部の機能を電気生理学的に評価するために、舌一次運動野(M1)と44野を経頭蓋的磁気刺激(TMS)し、舌筋、手より運動誘発電位(MEP)を記録した。 対象:失語症、発語失行、高度の発語遅延などを呈する12例(原因疾患は変性疾患、脳血管障害など)。 方法:TMSは8の字コイルを用い、刺激部位は舌M1ではCzより11cm側方の点、44野はそれより3cm前方とした。刺激強度は手(M1)の安静時運動閾値の120%とした。 結果:aphemia例では44野MEPは正常である例が多く、口・顔面失行や構音障害を伴う例では舌MEPの異常が認められた。発語遅延例では44野MEPが異常であった。 結論:本法は中心前回下部から弁蓋部の機能評価に有用であると考えられた。
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