2003 Fiscal Year Annual Research Report
分子病態の解明と治療を目的としたディスフェルリン結合タンパク質に関する研究
Project/Area Number |
15590924
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
松田 知栄 独立行政法人産業技術総合研究所, 脳神経情報研究部門, 研究員 (50344099)
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Keywords | ディスフェルリン / 筋ジストロフィー / 酵母ツーハイブリッド法 |
Research Abstract |
ディスフェルリンは三好型および肢帯型筋ジストロフィー2B型の原因遺伝子として同定された。この分子の筋細胞における生理機能は不明であり、その欠損により引き起こされる筋ジストロフィーの解明にはディスフェルリン分子の機能を同定する必要がある。筋細胞内でディスフェルリンと相互作用する分子を見いだすために酵母ツーハイブリット実験系を用いた。ディスフェルリンをベイトとしてヒト骨格筋cDNAライブラリーのスクリーニングを行った結果、骨格筋での発現量の多い、機能が未知のタンパク質が同定された。このタンパク質に対する抗体を作成して正常筋細胞内での分布、ディスフェルリン欠損患者筋組織における分布を現在検討している。また培養筋芽細胞に発現させてその細胞内局在などを検討している。 また一方でディスフェルリンの欠損した患者筋組織において細胞内局在に異常を来す分子を同定すべく、骨格筋に発現する様々な分子に対する抗体を用いて正常組織と患者組織の染色像の比較検討を行った。その結果ディスフェルリンの欠損により筋細胞膜への局在が阻害されていると考えられる分子が同定された。この分子とディスフェルリンとを培養細胞に共発現させると共沈させることができその細胞内局在も一部一致していた。さらには正常骨格筋を材料とした場合にもこの分子はディスフェルリンと共沈することから組織内での相互作用が確認された。現在この分子とディスフェルリン分子との相互作用部位を同定すべく、変異型ディスフェルリン遺伝子を発現させて検討を行っている。
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