2004 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病に伴う動脈硬化に対する温熱療法の予防効果と機序に関する研究
Project/Area Number |
15590950
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
枇榔 貞利 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50244231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 昌明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00347113)
鄭 忠和 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10163891)
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Keywords | 生活習慣病 / 血管内皮機能 / 温熱療法 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
我々は、サウナ浴を用いた温熱療法が臨床的に生活習慣病(高血圧症、糖尿病、高脂血症等)の患者の低下した血管内皮機能を改善させること、また、ハムスターを用いた動物実験において内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)を遺伝子・蛋白レベルで増加させることを明らかにした。そこで本研究の目的は、温熱療法の血管内皮機能改善効果が動脈硬化病変の発生・進展を抑制しうるかを検討することである。 動脈硬化発症モデル動物としてapoproteinEのノックアウトマウスを用いた。まず、小動物用乾式サウナ装置を用いて、深部体温が約1度上昇する温度を設定するための予備実験を行い、41度15分問、その後34度で20分間のサウナ浴が至適条件であることを確認した。 apoproteinEノックアウトマウスでは、12週令においては大動脈基部において動脈硬化巣が確認できるので6週令のapoproteinEノックアウトマウスに対してサウナ浴の効果を検討した。 6週令のapoproteinEノックアウトマウス20匹を2群に分け、1群に対し上記の条件で1日1回、1週間に5回のサウナ浴を施行した。コントロール群に対しては、サウナ群と同じ時間だけスイッチを切った室温のサウナ装置に同様の期間入れることを行った。 現在、6匹の解析が終了し、大動脈弁基部の動脈硬化巣の面積は、サウナ群で0.34±0.07mm^2コントロール群では0.29±0.06mm^2と現時点では統計学的に有意差は認められないが、両群に差が認められるので、さらに解析を進める予定で、また、今回は一断面での動脈硬化巣の面積の比較のため、今後数断面での動脈硬化巣の面積の比較等も行う予定である。さらに、eNOSの発現に関しても免疫組織染色、Western blot等を検討中である。
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