2004 Fiscal Year Annual Research Report
肥満2型糖尿病モデルdb/dbマウスにおける膵β細胞機能障害の機構の解明
Project/Area Number |
15590962
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Research Institution | Kawasaki Medical School, Faculty of Medicine |
Principal Investigator |
加来 浩平 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10116709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 昌文 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00199811)
重藤 誠 川崎医科大学, 医学部, 助手 (60368628)
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Keywords | 膵β細胞機能 / 膵ラ氏島 / db / dbマウス / pioglitazone / 糖・脂肪毒性 / LCM法 / 遺伝子発現プロファイリング |
Research Abstract |
本研究は薬剤介入による膵β細胞機能保護機構を膵ラ氏島レベルで詳細に検討することによって肥満糖尿病モデル動物C57BL/KsJdb+/db+マウス(以下db/dbマウス)の膵β細胞機能障害機序を解明することにある。そのため(1)6週齢db/dbマウスにthiazolidinedione系薬剤pioglitazone(P群)による12週間の介入を行い,膵β細胞機能障害の抑制効果についての形態学的検討、(2)10週齢マウスに2週間介入し、分子生化学的解析、(3)膵ラ氏島における遺伝子発現プロファイリングの検討を行なった。膵ラ島の組織学的解析では、%膵ラ氏島面積、β細胞比率とも非介入群のそれと比較し、P群で有意に増大した(p<0.001)。2週間介入で血糖,中性脂肪,遊離脂肪酸は低下し,血中インスリン値はP群では低下していた。血中アディポネクチン値はP群でより顕著に増加した(p<0.001)。インスリン感受性はP群で有意に改善していた(p<0.01)。膵ラ島内中性脂肪含量はP群で有意に減少した(p<0.05)。膵ラ島グルコース応答性インスリン分泌反応は、両群とも改善した(p<0.05 vs非介入)。db/dbマウス膵β細胞機能障害は薬剤介入で抑制可能であり,その機序としてPioglitazoneはインスリン感受性増強による糖毒性の改善に加えて,膵β細胞における脂肪毒性の抑制も関与すると思われた(以上の成果の一部はAm.J.Physiol.及びEur.J.Pharmacol.に掲載)。さらに膵ラ氏島内遺伝子発現の詳細な解析をすすめるため、膵ラ氏島をLCM(Laser Capture Microdisection)法により単離し、膵β細胞に選択性の高い遺伝子発現プロファイリングを行った。その結果、現時点でdb/dbマウスはすでに8週齢において+/+マウス、db/+マウスと比較して、遺伝子発現パターンは変化がみられることを確認した。アポトーシス関連遺伝子caspase-3の発現増加とともにbcl-2遺伝子発現も増加した。また細胞増殖関連遺伝子としてcell cycle関連遺伝子cyclinEの発現低下を認めている。今後、pioglitazoneによる遺伝子発現への影響も含めて詳細に解明を進める予定である。
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Research Products
(6 results)