2005 Fiscal Year Annual Research Report
副留髄質におけるAngiotensinIIの情報伝達機序の詳細
Project/Area Number |
15590967
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Research Institution | UNIVERSITY OF TSUKUBA |
Principal Investigator |
竹越 一博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (40261804)
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Keywords | AngII受容体 / AT_1受容体 / AT_2受容体 / DNAチップ / 情報伝達経路 / ERK / 副腎髄質 / カテコールアミン |
Research Abstract |
AngII受容体には、AT_1とAT_2のsubtypeがある。これら両受容体は、拮抗する生理作用を有する。我々は、ブタ副腎髄質初代培養細胞において、副腎髄質におけるAT_2の刺激は、"細胞内cGMPの低下を介して、カテコールアミン合成を低下させる一方で、カテコールアミン分泌は促進する"という、非常にユニークな作用を発揮する事を、初めて明らかにした。すなわち、副腎髄質における、AT_1とAT_2の2種類の受容体は、カテコールアミン合成では、それぞれ、刺激と抑制という相反する作用を発揮する。一方で、さらに1)AngII+CV-11974(AT_1 antagonist ; candesartan)⇒AT_2刺激、2)AngII+PD123319(AT_2 antagonist)⇒AT_1刺激の条件で、情報伝達経路におよぼす効果を検討し、AngIIの代表的な情報伝達系(ERK、JNK/SAPK、p38MAPK、JAK-STAT)においてもAT_1とAT_2は、拮抗することも明らかにしている。今回はラットの副腎髄質のセルラインであるPC12細胞において、AT_1とAT_2に特異的なシグナル伝達物質や転写因子(未知、および既知:既に報告されているがAT_1とAT_2と関連が報告されてないもの)の同定を目的に、DNAチップ解析システム(タカラ)およびスキャナー(Genetic Micro System : GMS-418-array scanner)を用いて、AT_1とAT_2の条件で発現プロファイリングを行い、それぞれの条件で発現が亢進する遺伝子群と低下する遺伝子群をそれぞれ明らかにすることができた。現在、それらの中の最も典型的な遺伝子について解析・同定を進めている最中である。
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