2004 Fiscal Year Annual Research Report
成長ホルモン分泌調節に関与する神経ペプチドと一酸化窒素の相互関係について
Project/Area Number |
15590979
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Research Institution | SHIMANE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 譲 島根大学, 医学部, 教授 (90030965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 宜男 島根大学, 医学部, 助教授 (10252909)
宗宮 基 島根大学, 医学部, 講師 (50243431)
山根 雄幸 島根大学, 医学部, 助手 (20335566)
山本 昌弘 島根大学, 医学部, 助手 (50346392)
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Keywords | 成長ホルモン / 神経ペプチド / 一酸化窒素 / 下垂体 / 視床下部 / インスリン様成長因子 / カルシウムチャネル / 分泌調節 |
Research Abstract |
一酸化窒素(NO)は、新しい細胞調節因子として注目されている。しかし、内分泌機能とNOとの関係は十分明らかではない。われわれは、GH3細胞において、内因性NOがautocrine機序およびparacrine機序により成長ホルモン(GH)分泌を抑制することを明らかにした。ヒト下垂体GH産生腫瘍細胞にもNO合成酵素(NOS)の存在を認めた。正常人においては、TRHの静脈内投与はGH分泌を抑制する。しかし、その機序は明らかではない。TRHは視床下部ソマトチン(SRIH)に作用してGHを間接的に抑制する機序の他に、ゴナドトロピン産生細胞などのNO放出を介して、paracrine的に下垂体GH分泌細胞に抑制的に作用する可能性が想定される。一方、GHは血管に作用するが、血管内皮細胞におけるNOとGHとの関係が注目される。NOは脳神経細胞においても重要な作用を有する。海馬などの記憶に関与する神経細胞にGHが作用する場合にもNOとの関係が推定される。 本研究では、GH産生細胞の分泌調節機序ならびにGH標的細胞のGH作用機序におけるNOの役割を明らかにすることを目的とした。研究期間中に明らかにしたことは以下のとおりである。1)GH3細胞におけるTRHにおけるNO産生促進機序、2)正常ラット下垂体におけるNO産生機序、3)ヒト血管内皮細胞におけるGHのNO産生促進機序、4)ラット海馬におけるNOS分布とEPO,IGF-I投与のNO放出促進機序。 これらの成績は、NOがGH分泌、GH作用、記憶機序のいずれにおいても重要な役割を有すること示唆する
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Research Products
(7 results)