2004 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺癌の遺伝子変異を利用した悪性度判定と分子標的治療
Project/Area Number |
15590981
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
難波 裕幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80237635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 正洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50284683)
前田 茂人 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (40315247)
山下 俊一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30200679)
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Keywords | 甲状腺癌 / 癌遺伝子 / BRAF / 臨床病期 / 予後判定 / 穿刺吸引細胞診 / 分子標的治療 |
Research Abstract |
甲状腺癌の発症機構を解明するために、本研究では、甲状腺腫瘍の遺伝子解析をおこなった。特に注目したBRAF遺伝子は、BRAFはRafキナーゼファミリーの1分子でありc-Rafと複合体を形成して下流のMEK-MAPKを活性化する。最近、BRAF遺伝子の変異によりMEK-MAPK細胞内経路が腫瘍で恒常的に活性化され続けることが報告された。 我々は、BRAF遺伝子の突然変異が甲状腺癌で高頻度(約30%)にみられることを見いだした。さらに解析の結果、この遺伝子異常を伴う甲状腺癌細胞でMARK経路が持続的に活性化されていることを確かめた。またこの変異により細胞の形質転換が起こることを明らかにした。但し、この変異は小児では低頻度であることがわかった。 この研究を展開し、この研究期間中に、BRAF遺伝子変異と甲状腺癌の組織型および病期との間の関連性について臨床データを基に検討した。BRAF遺伝子変異解析をおこなうことで診断及び予後予測に応用できるか評価した。その結果BRAF変異は、臨床病期と相関が見られ報告した。さらに、BRAF遺伝子変異の結果、細胞内MAPK経路が活性化された甲状腺腫瘍に対して分子標的治療として、BRAF変異がある腫瘍では、NF-kBの活性化がみられることにより、甲状腺未分化癌に対するNF-kB阻害剤の効果をin vitroとin vivoで調べたところ有意な増殖抑制が見られ分子標的治療薬としての臨床使用が期待された。また、タキソールの効果も甲状腺癌で調べ少容量で効果が見られることがわかった。
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Research Products
(6 results)