2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪ならびに軟骨組織特異的にヒトGH遺伝子を発現させた遺伝性侏儒症ラットの開発
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15590982
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
片上 秀喜 宮崎大学, 医学部, 講師 (50204417)
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Keywords | 脂肪細胞特異的ヒトGH遺伝子発現 / 軟骨細胞特異的ヒトGH遺伝子発現 / 脂肪細胞の発生・分化とGH / ヒトGHトランスジェニックラット / レプチン遺伝子 / α1-collaen遺伝子 / 血中IGF-1非依存性のGHの作用 |
Research Abstract |
平成16年度に2つの遺伝子、ヒトα1-collagen遺伝子とヒトleptin遺伝子のそれぞれ上流域数kbpをヒトゲノム情報に従い、特異的なオリゴprimerを設計し、PCRで増幅し、pGEMベクターに組み込み、PCRクローニングを行った。うち、ヒトLeptin遺伝子上流域-3.5kbpとヒトGH遺伝子2.1kbpのキメラ遺伝子(Lep-hGH)の調製はうまくいき、両遺伝子の接合部のsequenceも確認した。H17年度前半までに遺伝性侏儒症ラット(dr)の生殖細胞系列に組み込むためには、Wild typeの対照SDラット受精卵への注入(Lep-hGH-SD)、drとの交配(Lep-hGH-SD/dr)という間接的手法ではなく、drの受精卵に、キメラ遺伝子を注入し、効率よく、Lep-hGH-drを作出する方法に変更した。幸い、凍結ラット精子とキメラ遺伝子混合物を未受精ラット卵子に顯微注入する方法が確立された(Mol.Reprod.Dev.69:153 158,2004)。そこで、dr未受精卵子に直接、Lep-hGHキメラ遺伝子(7.6kbp)とdr凍結精子混合液を顯微注入したところ、遺伝子注入を行った207個のdr卵子より、38匹のdr個体を作出した。 一方、ヒトα1-collagen遺伝子の上流域-5.2kbpをヒトゲノム情報に従い、特異的なオリゴprimerを設計し、PCRで増幅し、pGEMベクターに組み込み、PCRクローニングを行った。さらに、PCRクローニングした遺伝子断片の塩基配列を確認したのちに、ヒトGH遺伝子(2.1kbp)に接合し、キメラ遺伝子を調整した(α1c-hGH)。注入直前に本キメラ遺伝子のsequenceを確認すると、ヒトα1-collagen遺伝子の上流域-5.2kbpとヒトGH遺伝子2.1kbp接合部の不具合が判明したため、再度、より短い-2kbpから-3kbp上流域とヒトGH遺伝子の接合を試みた。Ligationに手間取っているため、cloningの手法を再考し、新たなcloinig手法を用い、再度、調整中である。本α1c-hGHキメラ遺伝子も上述の凍結dr精子との混合液を直接、drの未受精卵に顯微注入することにより、α1c-hGH-drを作出しうるものと期待される。 従って、本年度の研究経費は当初の予定通り、PCR clningとTg動物の作出・飼育・管理のための消耗品費が主体である。その内訳は1)それぞれのキメラ遺伝子の作製、SDラット受精卵へキメラ遺伝子の注入などの薬品費、2)動物購入・飼育と管理維持費が大半を占めた。
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