2005 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞ならびにPit-1過剰発現マウスを用いた骨血管相関と老化メカニズムの研究
Project/Area Number |
15590987
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
鈴木 敦詞 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (90340265)
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Keywords | 動脈硬化 / 血管平滑筋 / 石灰化 / リン輸送担体 |
Research Abstract |
最近血管平滑筋細胞において骨芽細胞への形質転換と、動脈硬化部位での異所性石灰化機構におけるIII型ナトリウム依存性無機リン酸輸送担体Pit-1の関与が示唆されている。我々は今まで骨芽細胞分化・骨基質石灰化におけるPit-1発現の制御機構とその役割について明らかとしてきた。昨年までの報告書ではラット臍動脈由来血管平滑筋細胞株A-10を用いて血小板由来成長因子(PDGF)-BBならびに昇圧ペプチドであるアルギニンバゾプレッシン(AVP)の、細胞増殖並びにリン酸トランスポート活性への影響を検討し、同時にその細胞内情報伝達機構についてMAPキナーゼとS6キナーゼの役割について検討した。細胞外基質石灰化におけるPit-1の役割をさらに明らかにするために、今回骨芽細胞外基質での石灰化について生理的石灰化促進因子であるBMP-2の影響について検討しBMP-2が実際に結晶構造的に骨石灰化と同様な基質石灰化を促進することを証明した。 一方、我々が本研究により作製したPit-1遺伝子過剰発現ラット(Pit-1 TGラット)が、先天的白内障・進行性ネフローゼ症候群と骨軟化症を呈することを発見したが、今回さらにその成長段階での障害の進行の時系列について検討した。白内障は生後3-4週で明らかとなり、組織学的な腎障害については生後8週で明らかとなった。体重減少、脂質代謝異常ならびに蛋白尿はその後進行性に増悪し、生命予後は生後7ヶ月と短命であった。また初代培養において明らかなリン輸送活性の上昇を確認したが、組織によりリンの取り込み増幅による細胞へのストレスが異なることが示唆された。
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Research Products
(2 results)