2004 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインによる気道炎症・リモデリングの制御と気管支喘息治療応用に関する基礎研究
Project/Area Number |
15591044
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
足立 哲也 帝京大学, 医学部, 講師 (30321996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 健 帝京大学, 医学部, 教授 (30160500)
茆原 順一 秋田大学, 医学部, 教授 (80197615)
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Keywords | 気管支喘息 / リモデリング / 気道上皮細胞 / 好酸球 / サイトカイン / ケモカイン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
Eotaxinは好酸球に対し特異的な遊走活性を有し、気管支喘息の病態において重要な役割を担っている。またEGFは気道上皮のリモデリングに関与し、癌細胞などでGタンパク共役型レセプター(GPCR)とEGFレセプター(EGFR)間のクロストークが指摘されている。気道上皮細胞にも、Gタンパク共役型レセプターであるCCR3がmRNAレベルで発現している。平成15年度我々は、eotaxin刺激による気道上皮細胞MAPキナーゼの活性化とサイトカイン産生を検討し、その経路においてEGFRが関与していることを報告した(BBRC320:292-6,2004)。 平成16年度はGPCRとレセプター型チロシンキナーゼ(RTK)間のクロストークの応用として、好酸球での検討を試みた。好酸球は喘息でのエフェクター細胞である一方、近年リモデリングにおける役割が指摘されている。分離した好酸球では、ドナーによってRTKであるPDGFレセプター(PDGFR)がmRNAレベルで発現している例が認められた。PDGFRを発現している好酸球をPDGFR阻害剤(AG1295)で前処理すると、eotaxinによるMAPキナーゼ活性化と好酸球遊走が有意に抑制されることがわかった。 平成15年度と16年度の研究成果をまとめると、ケモカインであるeotaxinがGPCRであるCCR3に結合し、RTKを介して細胞機能を制御していることが示唆された。Eotaxinは好酸球の遊走を惹起するだけでなく、気道上皮細胞に作用してサイトカイン・ケモカインの産生を促し、アレルギー性炎症の増悪を起こす。また持続性炎症の結果として生じる気道リモデリングにおいては、気道上皮・好酸球ともこのCPCRs-RTKsクロストークが関与することが示唆される。 以上のことをふまえて平成17年度は、喘息リモデリングモデルのマウスにおいてin vivoの検討を行う予定である。特にRTKsの役割について、探求したい。
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Research Products
(1 results)