2003 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー・自然免疫に関与する受容体によるマスト細胞活性化の分子生物学的制御
Project/Area Number |
15591047
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
太田 康男 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80292936)
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Keywords | TLR / マスト細胞 / PBL-2HC / LPS / ヒスタミン / TNF-α / 自然免疫 |
Research Abstract |
今年度は、自然免疫に重要であるToll-like receptor(TLR)の各リガンドでマスト細胞RBLを刺激し、ヒスタミン遊離ならびにNF-κB活性化を検討した。本研究には、TLR2のリガンドであるPam_3Cys-Ser-(Lys)_4(Pam_3CSK_4)およびペプチドグリカン(PGN)、TLR3のリガンドであるpoly I : C、TLR4のリガンドであるLPS、TLR5のリガンドであるフラジェリン、TLR7のリガンドであるR-848、TLR9のリガンドであるCpG DNAを使用した。マスト細胞は、TLR2のリガンド刺激によりヒスタミンを遊離することが最近報告されているが、本研究において、TLR2のリガンドであるペプチドグリカン(PGN)刺激により、きわめて弱いヒスタミンの遊離が認められたものの、コントロールに比べ有意にヒスタミンを産生しているとは断定できなかった。さらにPam_3Cys-Ser-(Lys)_4、poly I:C、LPS、フラジェリン、R-848、CpG DNA刺激では、ヒスタミンの遊離は認められなかった。またマスト細胞がこれらの各リガンドにより活性化されるかどうかを検討するため、各リガンドでRBLを刺激し、NF-κBの活性化をルシフェラーゼレポーターアッセイにて検討した。その結果、LPS刺激ではNF-κBの活性化が顕著に認められたが、その他の使用したすべてのリガンド刺激では、NF-κBの活性化は認められなかった。RBLにおけるTLRの発現に関しては確認していないが、少なくとも機能面ではLPSのみに対して反応するものと考えられ、これはマスト細胞がグラム陰性桿菌の防御に重要であるとの過去の報告を裏付けるものであると考えられた。次年度はこの結果をもとに、LPS刺激とFcεRI刺激によるマスト細胞の調節作用を検討する予定である。
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[Publications] Shu Okugawa, Yasuo Ota, et al.: "Janus Kinase 2 is involved in Lipopolysaccharide-Induced Activation of Macrophages"Am J Physiol Cell Physiol. 285. C399-C408 (2003)
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[Publications] Takatoshi Kitazawa, Yasuo Ota, et al.: "Acute Hepatitis E with Elevated Creatine Phosphokinase"Internal Med. 41. 899-902 (2003)
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[Publications] Kuniko Nakayama, Yasuo Ota, et al.: "Raf1 Plays a Pivotal Role in Lipopolysaccharide-Induced Activation of Dendritic Cells"Biochem Biophys Res Commun. 308. 353-360 (2003)
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[Publications] Hiroyuki Nagase, Yasuo Ota, et al.: "Expression and Function of Toll-like Receptors in Eosinophils -Activation by the Toll-like receptor 7 Ligand R-848-"J Immunol. 171. 3977-3982 (2003)
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[Publications] Takatoshi Kitazawa, Yasuo Ota, et al.: "Mitogen-activated protei kinases modulate chlamydial antigen-induced foam cell formation in macrophages"Atherosclerosis. 4. 72 (2003)
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[Publications] Kuniko Nakayama, Yasuo Ota, et al.: "Involvement of IRAK-M in Peptidoglycan-induced Tolerance in Macrophages"J Biol Chem. (in press). (2003)