2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規1kappaBキナーゼ阻害薬による関節リウマチの病態解析とその治療への展開
Project/Area Number |
15591051
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies (T.U.F.S.) |
Principal Investigator |
井上 哲文 東京外国語大学, 保健管理センター, 教授 (30092141)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沢田 哲治 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50235470)
|
Keywords | 関節リウマチ / IKK / NF-κB阻害剤 |
Research Abstract |
Nuclear factor-kappa B (NF-κB)は細胞内シグナル伝達に重要な転写因子であり、RAをはじめとする炎症性疾患の治療ターゲットとして注目されている。NF-κBは阻害タンパクであるIκ-Bと会合した不活性型として細胞質に存在する。TNF-αなど細胞外刺激により、活性化されたIKKはIκ-Bをリン酸化することでIκ-B分解を誘導する。この結果、NF-κBは活性化され核内へ移行し、一連の標的遺伝子の転写を促進する。本研究では、新規に開発・合成された一連のNF-κB阻害剤薬の中から、抗リウマチ薬として期待される化合物を用いて解析を行った。IKK-β阻害薬として同定された化合物のひとつであるIMD465に関して、滑膜細胞の細胞周期解析を行い、この化合物により、滑膜細胞の増殖はG0/G1期からS期への進行が抑制されることを明らかにした。DNAアレイを用いた検討ではIMD465を滑膜細胞に作用させることで、mRNAレベルでの遺伝子発現にダイナミックな変化がもたらされることが、明らかとなった。すなわち、335個の遺伝子に関して発現が2分の1以下に低下し、逆に372個の遺伝子で発現が2倍以上に増加していた.発現レベルに変化のあった遺伝子は多様であったが、細胞周期制御に関連した一連の遺伝子発現抑制が特徴的であると思われた。IMD465を含む、これらの化合物がRA治療に臨床応用されるには安全性など解明すべき点はあるが、今後の進展が期待される。
|
Research Products
(1 results)