2003 Fiscal Year Annual Research Report
レドックス制御に基づく慢性関節リウマチの新たな治療法の開発
Project/Area Number |
15591054
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小柴 賢洋 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70301827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 肇 京都大学, 医学部・探索医療センター, 助教授 (70303914)
熊谷 俊一 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00153346)
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Keywords | 関節リウマチ / チオレドキシン / 酸化ストレス / アデノシン |
Research Abstract |
本研究は関節リウマチ(RA)の病態における酸化ストレスの関与をin vivoで明らかにし、抗酸化物質を用いたRAの新しい治療法の可能性を明らかにすることを目的としている。 1.チオレドキシン(TRX)遺伝子導入マウスにおける実験関節炎発症実験 TRX遺伝子導入マウス(TRX-Tg)はC57BL/6バックグラウンドであり遺伝的にコラーゲン誘発関節炎に抵抗性であるため、抗II型コラーゲン抗体カクテルを用いて実験関節炎を誘導し、関節炎スコア・体重・レントゲン像・病理組織学的評価を行った。SPF下で飼育した6〜8週齢の野生型マウス(wt)およびTRX-Tgの腹腔内に、抗II型コラーゲン抗体カクテルをday1,2にそれぞれ4mg投与し、さらにday3にLPS50μgを投与することより関節炎を誘導した。 (1)wtでは関節炎はday6にほぼ190%発症したが、TRX-Tgではday7に一部が発症したのみで、関節炎発症日の遅延が認められた。 (2)関節炎スコア(16点満点)はwtでは7点〜14点(平均10点)と四肢関節の発赤・腫脹が著明であった。一方TRX-Tgでは0点(未発症)〜2点程度で、たとえ発症したとしても極めて軽度の発赤・腫脹しか認められなかった。 (3)組織学的な評価では、滑膜増殖の程度には差が無かったが、関節炎発症過程での炎症細胞浸潤がTRX-Tgではwtに比して軽度であった。 2.実験関節炎マウスにおける酸化ストレスの検討 酸化ストレスの指標の一つとして、抗酸化分子であるTRXの発現を免疫染色法により検討した。TRX-Tgでは軟骨組織においてTRXの発現が著明で、関節炎による軟骨破壊の抑制に関与している可能性が示唆された。
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