2003 Fiscal Year Annual Research Report
ICOSの自己免疫疾患における作用の検討および治療への応用に関する研究
Project/Area Number |
15591056
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
多田 芳史 佐賀大学, 医学部, 講師 (70284627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長澤 浩平 佐賀大学, 医学部, 教授 (00108721)
小荒田 秀一 佐賀大学, 医学部, 助手 (50304887)
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Keywords | inducible costimulator / costimulatory molecule / autoimmunity / autoantibody / nephritis / lupus |
Research Abstract |
1.ICOS欠損MRL/1prマウスの作成 ICOS欠損マウスを7世代MRL/1prマウスに戻し交配し、icos+/-マウスを交配してicos+/+MRL/1prマウスとicos-/-MRL/1prマウスを作成した。 2.MRL/1prマウスにおけるICOSの発現 野生型のMRL/1prマウスではICOSの発現は脾CD4+T細胞で認められたが、CD8+T細胞やCD4-CD8-T細胞では認められなかった。また、CD4+T細胞でも若年齢のMRL/1prマウスでは発現せず、年齢とともに発現が増強していた。 3.リンパ節腫脹、脾腫 ICOS欠損MRL/1prマウスではコントロールに比べリンパ節腫脹は軽度であった。脾腫の程度には差が見られなかった。 4.単核球サブセット ICOS欠損MRL/1prマウスの脾細胞ではコントロールに比べ、B220-T細胞とCD4+T細胞の減少が認められた。CD4+T細胞に関しては、特にメモリーT細胞の低下およびナイーブT細胞の増加が見られ、またB220-CD4+細胞の低下が顕著であった。 5.細胞内サイトカイン 脾CD4+T細胞の細胞内インターフエロンγ(IFN-γ)とIL-4をFACSで解析した。ICOS欠損MRL/1prマウスではコントロールに比べIFN-γ/IL-4比の低下が見られTh2へのシフトが考えられた。 6.自己抗体価 ICOS欠損MRL/1prマウスの血清中の抗dsDNA抗体価は、IgG1,IgG2a,IgMのサブクラスでコントロールに比べ低下していた。IgG3では差は見られなかった。 7.腎炎 ICOS欠損MRL/1prマウスでは、糸球体病変の程度に変化はなかったが、血管周囲の単核球浸潤が著しく軽度であった。
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