2004 Fiscal Year Annual Research Report
造血幹細胞移植と組織再生因子による全身性強皮症に対する治療の基礎的研究
Project/Area Number |
15591071
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Research Institution | Hyogo College of Medicine |
Principal Investigator |
岩崎 剛 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (10151721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤元 治朗 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (90199373)
佐野 統 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00196304)
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Keywords | 全身性強皮症 / HGF / 造血幹細胞移植 / 遺伝子治療 / HVJ-リポゾーム |
Research Abstract |
強皮症モデルとしてTskマウスを用い、造血幹細胞移植とHGF遺伝子治療の有効性を比較検討した。(方法)造血幹細胞移植はTskマウスを9Gy全身照射しT細胞除去BALB/cマウス骨髄細胞を1x10^7移入した。HGF遺伝子導入はヒトHGFcDNAをHVJ-リポゾーム法にてTskマウス大腿骨格筋に1週間間隔で筋肉注射した。治療効果の判定は皮膚、肺の病理学的解析(皮膚硬化度、肺線維症の改善)にて判定した。(結果)1)造血幹細胞移植、HGF遺伝子治療により皮膚硬化の改善が認められたが肺線維症の改善は認められなかった。2)造血幹細胞移植とHGF遺伝子治療の併用はこれらの単独治療に比べ皮膚硬化の改善がより認められたが肺線維症の改善は認められなかった。3)造血幹細胞移植後2週目ではドナー骨髄細胞の生着が認められたが、移植後4週目ではドナー骨髄細胞が拒絶され、ホスト由来の骨髄細胞に置き換わっていた。4)造血幹細胞移植後のTskマウスの免疫状態はTh2からTh1にシフトしていた。(考察)造血幹細胞移植とHGF遺伝子治療の併用により強皮症による皮膚硬化がより有効に改善できることが明らかになった。しかしT細胞除去造血幹細胞の移植は移植造血幹細胞が拒絶されホストに置換されることよりGVHDを制御しかつ移植造血幹細胞の生着を促進できる方法が必要であると思われた。今後GVHDを伴うアロ造血幹細胞移植にHGF遺伝子治療を併用しGVHDを制御し皮膚硬化を治療できるかどうかを検討する予定である。
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