2004 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシゾーム病中枢神系における病態解明をめざした基礎的研究
Project/Area Number |
15591086
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
榊原 洋一 お茶の水女子大学, 子ども発達教育研究センター, 教授 (10143463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩森 正男 近畿大学, 理学部, 教授 (90110022)
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Keywords | Zellweger症候群 / セレブロシド / ホスファチジルコリン |
Research Abstract |
Zellweger症候群(ZS)をはじめとするperoxisome blogenesis disorders(PBD)ではPex遺伝子の変異によって様々な生化学異常と多彩な臨床症状を呈する。中枢神経系では神経細胞の遊走障害やミエリン形成不全による構築異常が認められるが、そのメカニズムは未だ解明されていない。私たちはZS患者由来大脳皮質および白質の脂質組成およびリン脂質分子種組成を対照と比較検討した。脂質組成では患者皮質で糖脂質のセレブロシドが増加し、白質では逆に患者でセレブロシドが低下していた。患者では総ホスファチジルコリン量の変化はなかった。しかし、disaturated phosphatidylcholine(Di-sat-PC)に対するモノクローナル抗体を用いたTLC免疫染色によりこれが対照とくらべ患者では皮質で約4倍に増加していた。Di-sat-PCは白質では対照と変化はなかった。患者皮質のセレブロシド増加はこれまで、他のペルオキシゾーム欠損細胞で認められた結果と同じであり糖脂質合成の亢進が考えられる。また、白質ではミエリン化不全のためセレブロシドが低下していると考えられた。Di-sat-PCの皮質での増加は神経細胞膜の流動性などの物理的性質を変化させると予想され、これが神経細胞の分化や遊走に影響する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)