2004 Fiscal Year Annual Research Report
喘息におけるアラキドン酸カスケードの薬理遺伝学的解析とオーダーメイド治療の確立
Project/Area Number |
15591101
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
寺本 貴英 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (60324307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 敏幸 岐阜大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (70260578)
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Keywords | 気管支喘息 / アラキドン酸カスケード / 遺伝子解析 / LTC4合成酵素 / プランルカスト / 尿中LTE4 / 尿中11DTX |
Research Abstract |
我々は個々のアレルギー(主に気管支喘息)患者について、その血液および尿など用い、アラキドン酸、ロイコトリエン、トロンボキサンを測定しその病態や解析し、それらを基にし,重症度の予測や適切な治療(適切な抗アレルギー剤の選択)に結びつけられるのではないかと考えている。さらに薬理遺伝学的な観点から,薬物動態や薬の作用する位置に関する遺伝子の解析を行ない,オーダメイド治療へ発展させようと考えている。2003〜2004年度は以下の点を明らかにした。 1.ロイコトリエン受容体拮抗薬としてプランルカストについて、小児気管支喘息患者において定常状態における血漿中薬物濃度を解析した。小児気管支喘息患者22例に文書により同意を取った後、プランルカスト70mg/kg/日を朝食および夕食後の2回に分けて反復投与し、投与後1週間以上内服したのち採血し、定常状態における血漿中薬物濃度を解析した。結果として小児においては投与後1〜3時間後に最高血漿中濃度(482ng/ml)に達し,成人の約5時間後に対し早い傾向を認めた。クリアランスは1.81l/hr/kgで成人より約1.6倍大きかった 2.小児気管支喘息患者において尿中LTE4や尿中11DTXB2を発作時、非発作時、症状改善時について検討したところ、尿中LTE4排泄量は発作時に増加し、症状改善時には減少する傾向を示し、尿中11DTXB2排泄量は発作時に増加し、症状改善時にも排泄増加を維持する傾向を示した。また両者の排泄量の関連を検討したところ相関は認められなかった。以上よりアラキドン酸カスケード内における5-lipoxygenase系およびcyclooxygenase系の代謝経路において不均衡がある可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)