2003 Fiscal Year Annual Research Report
臍帯血移植後のドナー由来間葉系幹細胞の生体内での分化増殖について
Project/Area Number |
15591102
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
工藤 寿子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (20303620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 勢二 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20313992)
伊藤 雅文 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (50184693)
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Keywords | 臍帯血移植 / 間葉系幹細胞 / キメリズム解析 |
Research Abstract |
名古屋大学医学部小児科において平成15年度臍帯血移植は計5例行われ、基礎疾患は免疫不全症2例、乳児白血病1例、バーキットリンパ腫1例、横紋筋肉腫1例であった。このうち平成16年2月4日臍帯血移植を施行したバーキットリンパ腫症例は、初診時胸椎の硬膜外腫瘍を認め、下肢麻痺を合併していたため椎弓切除と腫瘍摘出術を施行されている。発症から7ヶ月後に再発し、非寛解期にHLA2座不一致の臍帯血移植を施行、生着は遅延しましたが、移植後35日目に白血球系の生着を認めております。本症例は十分な説明と同意取得の趣旨に従い、書面での承諾を得られており、移植後のレシーピエントの骨髄組織でのドナー(臍帯血)MSC由来細胞の同定を染色体18、20、22番のマイクロサテライトDNAを用い、short tandem repeat (STR)をPCR法により増幅し、蛍光プライマーにて標識されたfragmentをDNAシーケンサーで解析、定量する方法で解析中である。同時に十分赤血球系及びリンパ球が回復してきたところで、ドナーとレシーピエントの異なるHLA型を用いてmicrochimerismの検索及び造血細胞のlineage別にchimerism検索を行う準備をしております。移植後は皮膚や肝臓、腸管を標的臓器としたGVHDが発症することが多く、診断のために生検が行われる。生検が行われた臓器についてもドナー(臍帯血)MSC由来細胞の同定を同様な方法にて行うことも検討中である。 また、平成15年9月5日に非血縁者間骨髄移植を施行した急性リンパ性白血病症例が不幸な転帰をとりました。その剖検組織においてドナー(成人骨髄細胞中)MSC由来細胞の同定を試み、臍帯血ドナーの場合との比較を検討中である。
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