2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウスモデルを用いた再生不良性貧血から骨髄異形成症候群への移行に関する研究
Project/Area Number |
15591103
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小島 勢二 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20313992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
直江 知樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50217634)
蒲池 吉朗 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20343204)
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Keywords | NOGマウス / JMML / T細胞 |
Research Abstract |
NOD/SCID/γc^<null>(NOG)マウスに正常ヒト由来造血幹細胞が効率よく生着することは、すでに報告されており、病的ヒト血球細胞を用いたxenograftマウスの作成が、いくつかの血液疾患で試みられている。昨年度は、若年型骨髄単球性白血病(JMML)患児由来の骨髄細胞を用いたモデルマウスを作成し、JMMLがリンパ球分画をも含む多能性幹細胞の白血化であることを報告した。今年度は、再生不良性貧血(再不貧)患者由来の検体を用い、xenograftマウスの作成を試みた。実験に用いた16匹のうち、骨髄血を移植した4匹、末梢血を移植した3匹について、ヒト血球細胞の生着の有無について検討が可能であった。骨髄血を移植した4匹すべて、末梢血を移植した3匹のうち1匹において、ヒト血球細胞の生着が確認された。生着した細胞の99%はT細胞であった。生着した5匹のすべてに貧血がみられ、骨髄は低形成で再不貧の病理所見を示した。一方、健常人骨髄が生着した2匹については、1匹で貧血がみられるも、他の1匹では血液所見に著変はみられなかった。再不貧患者由来の検体と同様に、生着したヒト血球細胞の99%はT細胞であった。 また、monosomy7の染色体異常をもつ骨髄異形成症候群に移行した再不貧患者由来の骨髄細胞についても検討したが、2匹に生着が得られるも生着細胞はT細胞で、FISH法でのmonosomy7の確認はできなかった。生着細胞のほとんどがT細胞であったので、T細胞を除去した骨髄細胞分画を移植したところ、移植したヒト血球細胞の生着は確認できなかった。さらに、T細胞除去分画に、T細胞を再添加した骨髄を移植した場合には生着が得られたことから、T細胞が生着に促進的に働いていると考えられた。 今回の一連の実験から、再不貧患者由来の骨髄細胞を移植することで、再不貧のxenograftモデルマウスの作成が可能であることが判明した。
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Research Products
(6 results)