2004 Fiscal Year Annual Research Report
無ガンマグロブリン血症の新規原因遺伝子LRRC8とそのホモログの機能解析
Project/Area Number |
15591105
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
原 純一 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (00238156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 秀明 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60322187)
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Keywords | LRRC8 / LRRC8ファミリー / B細胞の分化 |
Research Abstract |
1.ノックアウトマウスの作成に当たり、まず、相同組換えを行うためのターゲッティングベクターの作成を行った。LRRC8のマウスホモログであるmLRRC8遺伝子の構造は、ヒトと同様に2つのエクソンからなる。exon 1は2157bpからなり、LRRC8遺伝子全長の8割以上を占めるため、相同組換えを起こす部位としてexon 1を選んだ。exon 1をはさむ2箇所の遺伝子配列は、マウスゲノムからPCR法を用いて増幅し、positive選別のためのネオマイシン耐性遺伝子、negative選別のためのチミジンキナーゼ遺伝子とともにベクターに組み込んでターゲッティングベクターとした。現在、ターゲッティングベクターのマウスES細胞への導入に着手している。 2.以前作成したLRRC8ポリクローナル抗体を用い、引き続きフローサイトメトリーを用いて発現様式について検討を行なった。健常者骨髄におけるB細胞とLRRC8の発現形式を詳細に見たところ、CD10強陽性CD19弱陽性のpre-pre-B細胞ではLRRC8は全く発現していなかったに対し、分化が進んでCD10発現が減弱しCD19発現が増強してくるにつれLRRC8発現も増強し、immature B細胞まで成熟すると、末梢血と同様のLRRC8の発現が見られた。よって、骨髄内でB細胞が成熟するに従って、LRRC8が発現してくることが判明した。次に、健常者末梢血のB細胞と単球をLPSで、T細胞をPHAで刺激して発現パターンの変化を見たところ、B細胞とT細胞では、活性化に伴う発現変化は見られなかったが、単球は発現が増加した。単球の発現変化は、以前に検討したmRNA発現パターンと一致した。 3.LRRC8ポリクローナル抗体を用い、リンパ節と脾臓の免疫染色を行った。リンパ濾胞内のリンパ球ではLRRC8が発現していない可能性を示唆する結果が得られた。
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