2003 Fiscal Year Annual Research Report
血液ろ紙と線維芽細胞を用いたGC/MSによる脂肪酸β酸化異常スクリーニング法
Project/Area Number |
15591109
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
木村 正彦 島根大学, 医学部, 講師 (00263533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 清次 島根大学, 医学部, 教授 (60144044)
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Keywords | 脂肪酸β酸化異常症 / 遊離脂肪酸分析 |
Research Abstract |
研究課題に関して以下3項目について平成15年に行った内容を報告する。 1)遊離脂肪酸分析 分析方法と定期的に測定するシステムを血液ろ紙と血清について確立し、全国から送られてきたハイリスクスクリーニングの検体の分析を行った。平成15年度は182検体を分析した。グルタル酸尿症2型、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症を診断した。本法はアシルカルニチン分析とともに、脂肪酸β酸化異常症の診断に有用であった。これまでの分析結果を第15回国際先天代謝会議2003年9月、ブリスベーンで発表した。 2)3-ヒドロキシ脂肪酸分析法の確立 検体量・前処理法を検討した。検体量血清100ulを用い、炭素数9から17までの奇数鎖3-ヒドロキシ脂肪酸を内部標準とした。マイクロチューブを用い、酢酸エチルで溶媒抽出をした。トリメチルシリル誘導化してガスクロマトグラフイー/質量分析計で測定した。今後、疾患について測定の予定である。 3)線維芽細胞への脂肪酸の取り込み実験 培養、分析条件設定の決定 グルコースが含まれない培養液を用い、培養液中にリボフラビンを様々な濃度で加え、パルミチン酸放射性同位体の取り込みを検討している。検体にはグルタル酸尿症2型の細胞を用い、重症型と軽症型の違いとリボフラビンに対する反応性を明らかにするため実験中である。また、安定同位体を用い、付加された脂肪酸の代謝を明らかにする系を検討中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kimura M: "Normalization of low biotinidaseactivity in achild with biotin deficiency after biotin supplementation"J Inherit Metab Dis. 26. 715-719 (2003)
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[Publications] Kimura M: "A sensitive method for 4-hydroxybutyric acid in urine using gas chromatography-mass spectrometry"J Chromatogr B. 792. 141-144 (2003)
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[Publications] Yoshino M: "Effect of supplementation with L-carnitine at a small dose on acylcarnitine profiles in serum and urine and the renal handling of acylcarnitines in a patient with multiple acyl-coezyme A dehydrogenation defect"J Chromatogr B. 792. 73-82 (2003)
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[Publications] 伊藤康: "乳児期発症筋型極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症の1例"脳と発達. 35. 491-497 (2003)
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[Publications] 堀大介: "有機酸血症の発症形態と予後:発症後に診断された患者の調査結果から"日本マス・スクリーニング学会誌. 13. 31-37 (2003)
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[Publications] 但馬剛: "高速液体クロマトグラフィ法による有機酸・脂肪酸代謝異常症の酵素診断"日本マス・スクリーニング学会誌. 13. 39-45 (2003)
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[Publications] 木村正彦: "ビオチン代謝異常症"小児内科. 35増刊. 388-390 (2003)