2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳児重症ミオクロニーてんかんにて検出される変異型イオンチャネル遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
15591110
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大内田 守 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80213635)
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Keywords | てんかん / 遺伝子変異 / イオンチャネル |
Research Abstract |
乳児重症ミオクロニーてんかん(severe myoclonic epilepsy in infancy ; SMEI)は生後4-6ヶ月から熱性けいれんや種々のてんかん発作が出現する難治てんかん症候群のひとつである。我々はこの疾患の原因遺伝子の検索を目的とした遺伝子解析を行った結果、ナトリウムイオンチャネル遺伝子SCN1Aのアミノ酸変異を伴う遺伝子変異を検出した。このSCN1A遺伝子変異はSMEI患者において非常に高い相関が見られることより、これらのSCN1A遺伝子変異がSMEIの発症に重要な役割を担っていると考えられた。 そこで、変異型イオンチャネル蛋白の解析を行うことによりこれらの遺伝子変異がイオンチャネルの機能にどのような影響をもたらしているのかを明らかにする目的の為に、変異型および正常型遺伝子のSCN1A cDNAをクローニングし発現ベクターの構築を計画した。容易に蛋白局在が検出でき、蛋白機能に影響を与えず、かつ、膜への移行をさまたげないようなTagとしてLumio Tagを選び、その融合蛋白発現系を作成することにした。これは6アミノ酸からなり、特殊な蛍光物質と結合し強い蛍光を発するようになる領域である。まずこれらを正常型、変異型のC末に取り付けた発現ベクターを作成し、SCN1A遺伝子を発現していないヒト細胞株HEK293に導入した。生きたままの細胞に蛍光試薬を添加し蛍光顕微鏡で観察したところ、バックグラウンドの蛍光が非常に強く、局在を同定するのは困難であった。そこで、細胞固定後、界面活性剤処理を施した後に蛍光試薬を添加したところ、バックグラウンドの改善がみられ、ある種の変異型蛋白は細胞膜に局在することが判明した。この結果は抗SCN1A抗体を用いた免疫染色によっても確認された。このことは、正常蛋白と変異型が共発現している状態でも、変異型がDominant Negative効果により、細胞膜上で正常型の機能を阻害している可能性を示唆している。
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Research Products
(6 results)