2004 Fiscal Year Annual Research Report
白血病細胞における細胞死誘導および薬剤耐性獲得機構の解明
Project/Area Number |
15591112
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田代 聡 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20243610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 和彦 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00250738)
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Keywords | CML / Bach2 / PML / Imatinib / ABL |
Research Abstract |
CML細胞における転写因子Bach2の役割についての基礎的研究として、Bach2の核内動態についての詳細な解析を行なった。その結果、酸化ストレスによりBach2が細胞質から核に移行し、核内ドメインPMLボディの近傍あるいはPMLボディを取り囲むように核内フォーカスを形成し、PMLボディ近傍の転写活性を抑制すること、Bach2フォーカスの局在の制御にはBach2のタンパク質修飾が必要であることを明らかにし報告した。また、CML細胞株ではSTI571添加によりBach2の発現が誘導されること、Bach2遺伝子の核内局在が変化することを明らかにした。一方、IFNα添加ではCML細胞株におけるBach2の発現は誘導されず、またSTI571とは相加効果が認められた。現在論文投稿準備中である。また、Bach2遺伝子破壊マウスの解析から、マウスB細胞の分化にBach2が重要であることを明らかにし、報告した。 CML症例の臨床検体を用いたAbl遺伝子点突然変異の検出法を確立するとともに、臨床検体の収集も開始した。 DNA損傷修復機構の解析では、ヒト細胞でゲノム修復関連蛋白質XRCC3が遺伝子組換えとゲノム複製チェックポイントに係わっていることを明らかにし、報告した。さらにゲノム修復と細胞死誘導機構の関連を解明するため、本年度は放射線照射後のDNA修復関連タンパク質Rad51が形成する核内フォーカスと細胞死誘導に関与するとされているPMLボディの局在の関連を解析し、致死的な放射線照射ではRad51フォーカスとPMLボディの共局在が認められるが、修復可能な条件では共局在が認められないことが明らかになった。
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Research Products
(4 results)