2003 Fiscal Year Annual Research Report
腎線維化の進展における間質浸潤マクロファージの腎保護的作用に関する検討
Project/Area Number |
15591124
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
西田 眞佐志 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (50275202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浜岡 建城 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60189602)
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Keywords | 腎線維化 / マクロファージ / unilateral ureteral obstruction |
Research Abstract |
C56BL/6マウスを用い、片側尿管結紮(UUO)により腎線維化を誘導した。これらのマウスに対し顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)をUUO作成後7日目から14日目にかけて連日皮下投与することにより、骨髄細胞を末梢血中に動員した。UUO作成後14日目に末梢血中の白血球数、白血球分画を測定し、腎線維化の程度をマッソン染色、コラーゲンに対する免疫染色により、また腎間質のマクロファージ浸潤をF4/80染色により検討した。G-CSF投与によりUUO14日目の末梢血中の好中球、単球、マクロファージの有意な増加と、腎間質浸潤マクロファージの有意な増加を認め、腎線維化の程度の軽減傾向を認めた。また我々の検討では、angiotensin II type 1 receptor(Agtr1)geneのknockout mouseより得た骨髄をwild type mouseに移植し、UUOにより腎線維化を誘導した場合、UUO後早期(day5)ではAgtr1-deficient bone marrowを持つ群(Agtr1-/-)とコントロール群(Agtr1+/+)との間で、間質浸潤マクロファージ数と腎間質線維化の程度の両者とも有意差を認めなかったが、UUO後期(day14)ではAgtr1-/-群ではAgtr1+/+群に比べ、間質浸潤マクロファージ数は有意に減少し、Masson point-count法及び腎組織のHPLCによるコラーゲンの定量で腎線維化の増加を認めた。同時にUUO-day14ではAgtr1-/-群で腎組織におけるTGF-β1mRNAやα1(I)collagen mRNA、α1(III)collagen mRNAの発現の増強を認めた。以上の結果より、UUOの後期においては浸潤マクロファージが腎線維化の進展に対し、腎保護的に働いている可能性が示唆された。今後、腎に対するマクロファージの直接注入などにより、さらに腎線維化に対するマクロファージの作用を検討する予定である。
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Research Products
(1 results)