2004 Fiscal Year Annual Research Report
SSPEウイルスの神経指向性に関わる宿主因子の解明
Project/Area Number |
15591126
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松岡 収 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20117972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野 恒一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20093172)
服部 英司 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70244639)
小倉 壽 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10115222)
綾田 稔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (90222702)
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Keywords | 亜急性硬化性全脳炎 / SSPEウイルス / 麻疹ウイルス / cell tropism / SLAM(CD150) / CD46 |
Research Abstract |
我々のこれまでの研究結果から,亜急性硬化性全脳炎患者脳より分離した麻疹ウイルス変異株(SSPEウイルス)が,Vero細胞上で麻疹ウイルス野外株リセプターであるSLAM(CD150)や麻疹ウイルスワクチン株リセプターであるCD46とは異なる第3のリセプターを利用している可能性が示唆された。本研究では,この可能性をより確かなものにすることを,さらにはその分子をクローニングすることを目的としている。 昨年度はVSVシュードタイプシステムを利用したウイルス・エントリ・アッセイにより,SSPEウイルスはSLAMを利用できるがCD46は利用できないこと,これら両者以外の新たな細胞表面分子もSSPEウイルスのエントリに関わっていること,また,この第3の分子はヒト神経芽細胞腫由来細胞やヒトグリオーマ由来細胞にも発現していることを明らかにした。 今年度の研究においては,ウイルス粒子を用いたウイルスの細胞指向性の検討を試みた。SSPEウイルスは細胞遊離ウイルスをつくらないので,サイトカラシンD処理により細胞遊離のシュードビリオンを強制的に作製し,感染後の細胞融合形成を指標にウイルス・エントリを評価した。その結果,上記シュードタイプシステムによる結果と同様に,シュードビリオンはSLAMを利用できるがCD46は利用できないこと,これら両者以外の新たな細胞表面分子も細胞融合形成に関わっていることが再確認された。
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