2004 Fiscal Year Annual Research Report
溶血性尿毒症症候群に伴う急性脳症の発症、進展に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15591128
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
南 弘一 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (60301438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80196865)
吉川 徳茂 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10158412)
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Keywords | 溶血性尿毒症症候群 / 急性脳症 / 志賀毒素 |
Research Abstract |
本研究では、志賀毒素(Stx)産生型腸管出血性大腸菌感染による溶血性尿毒性症候群(HUS)に伴う急性脳症(HUS脳症)の発症機序に関する基礎的研究を、大脳毛細血管内皮細胞による血液・脳関門モデルを用いて行う予定である。 (目的) (1)Stx刺激による培養大脳毛細血管内皮細胞でのIL-8,MCP-1などのケモカイン発現と、ケモカインが白血球付着・移行能やGb3発現能に与える影響を検討する。 (2)同細胞培養系で、抗IL-8抗体、抗MCP-1抗体の抗ケモカイン抗体を用いて、白血球付着・移行能やGb3発現能とStxの関与を検討する。 (3)Stxがケモカイン発現に関与する転写因子NF-κBに与える影響を検討する。 昨年度から引き続き、血液・脳関門細胞モデルとして、臍帯静脈血管内皮細胞の培養系を確立し、Stx刺激でのIL-8、MCP-1などのケモカインを誘導することを培養液の測定で、ケモカインの上昇を確認した。ケモカインが白血球付着・移行能やGb3発現能に与える影響を検討中である。 また、Stx刺激有無で培養した細胞からtotal RNAを抽出し、IL-8,MCP-1でのノーザンブロット法を行い、有意な発現の確認を行った。抗IL-8抗体、抗MCP-1抗体の抗ケモカイン抗体を用いた実験を行っている。 現在、細胞培養からの核内抽出分を抽出キットで採取している。今後、転写因子NF-κB活性化の検討を行っていく。本来のモデルである大脳毛細血管内皮細胞の取得が現在難しく、関連機関、企業と検討中である。
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