2003 Fiscal Year Annual Research Report
温度感受性p16癌抑制遺伝子導入白血病細胞のDNAチップによるRNA解析
Project/Area Number |
15591137
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
浦島 充佳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80203602)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / 白血病 / 神経芽細胞腫 / DNAチップ / 細胞周期 |
Research Abstract |
本年度は温度感受性p16INK4A癌抑制遺伝子導入白血病システムを用いて、p16INK4A癌抑制遺伝子を機能させたときの12,000遺伝子のRNA発現経時変化をDNA chipを用いてスクリーニングした。 その結果、Rb1,p107,p130,p300,DP-1,CDK4,CDK6,cyclin D1,cyclin Eの発現増加が認められた。また、ウエスタンブロッティングにてRb1,p107,p130,p300のリン酸化を認めている。このことは、p16INK4Aによる抑制が解除され、単に蛋白-蛋白結合によるG1 growth arrestが解除されるだけではなく、発現増加をももたらしていることを示すと考えられる。形態的(ライト染色)には、白血病細胞の分化傾向が示され、細胞表面マーカー(CD20の陽性化)、免疫グロブリンのクラススイッチ(heavy chain & light chain)においても分化傾向が確認された。しかし、このp16INK4Aの発現抑制と癌細胞分化との関係については、1つの実験系内での話であるので別の系でも確認する必要があると考えた。 そこで、我々は、2種類の神経芽細胞腫細胞株にレチノイン酸を添加して、これを神経突起をだすよう分化させ、その際のRNA発現変化をDNA chipを用いて観察した。その結果、N-myc, cyclin D34,Wnt10BのRNA発現が抑制され、RB, p107,p130,p300/CBP, E2F-1,DP-1のRNA発現が上昇することが確認された。これを、400種類の抗体を用いたプロテインチップで確認したところ、ほぼ同様の結果を得た。癌細胞の分化誘導にRb1,p107,p130,pP300などの網膜芽細胞腫蛋白が重要な役割を果たすであろうことが示唆された。結果をJournal of Pediatric Hematology/Oncology 2003;25:715-720.に誌上報告した。
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Research Products
(1 results)