Research Abstract |
温度感受性p16INK4A癌抑制遺伝子導入白血病システムを用いて、p16INK4A癌抑制遺伝子を機能させたときの12,000遺伝子のRNA発現経時変化をDNA chipを用いてスクリーニングした。その結果、Rb1,p107,p130,p300,DP-1,CDK4,CDK6,cyclin D1,cyclin Eの発現増加が認められた。一方、p16発現によりCD19,CD83,T cell leukemia/lymphoma 1Aの発現増加をみた。p16の発現変化により、プロテオゾーム発現に大きな変化を来たし、その意義付けに関して今後の課題と考えられた。しかし、このp16INK4Aの発現抑制と癌細胞分化との関係については、1つの実験系内での話であるので別の系でも確認する必要があると考えた。これらの結果をふまえて、TSLPというTH2刺激サイトカインとCD40リガンドの白血球に及ぼす影響を検討した。その結果、indoleamine 2,3-dioxygenase (IDO)が重要な分子であることがわかり報告した。Pediatric Research (in press)。 更に2種類の神経芽細胞腫細胞株にレチノイン酸を添加して、これを神経突起をだすよう分化させ、その際のRNA発現変化をDNA chipを用いて観察した。その結果、N-myc, cyclin D34,Wnt10BのRNA発現が抑制され、RB, p107,p130,p300/CBP, E2F-1,DP-1のRNA発現が上昇することが確認された。これを、400種類の抗体を用いたプロテインチップで確認したところ、ほぼ白血病の際と同様の結果を得た。結果をJournal of Pediatric Hematology/Oncology 2003;25:715-720.に誌上報告した。
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