2003 Fiscal Year Annual Research Report
X連鎖自己免疫アレルギー調節異常症候群の病因遺伝子FOXP3とアレルギーとの関連
Project/Area Number |
15591142
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
柘植 郁哉 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (00231431)
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Keywords | アレルギー / FOXP3 |
Research Abstract |
Forkhead box p3(FOXP3)は、ヒトのX-linked autoimmunity-allergic disregulation syndrome(XLAAD)(あるいはimmune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked syndrome(IPEX)とも呼ばれる)の病因として同定されたforkhead familyに属する転写因子であり、Scurfyと名付けられた遺伝性リンパ増殖性疾患モデルマウスの病因であることも明らかにされている。FOXP3の機能はいまだ明確ではないが、その欠損がヒトおよびマウスで免疫不全、アレルギー、自己免疫疾患といった多彩な病像を示すことから、免疫系の制御に重要な役割を果たしていると考えられる。一方、アレルギー性疾患の発症は、遺伝的な素因(疾患感受性遺伝子)と環境因子の複雑な相互作用により発症すると考えられており、近年、こういった危険因子の解析が、急速に進みつつある。XLAADやScurfyは単一遺伝子疾患であり、変異に基づくFOXP3の完全欠失が、多彩で重篤な病態をもたらしていると考えられるが、本遺伝子の量的あるいは質的な個体差が、アレルギーの遺伝的素因となっている可能性も考えられる。本研究は、FOXP3の遺伝的多型がアレルギー性疾患発症の遺伝的素因となっている可能性を検証することを目的とするが、本年度は1.アレルギー性疾患患者を対象に、NFATを介してFOXP3の制御を受けるとされるTh2 cytokine(IL-4,13)やその他のcytokine(IL-10,IFN-γ)の産生能を検討するとともに2.FOXP3遺伝子の多型とアレルギー性疾患発症との関連について検討した。 1.アレルギー性疾患患者におけるcytokine産生能の検討;主として食物アレルギー患者を対象に、アレルゲンで刺激した患者末梢血単核球培養上清中に分泌される各種cytokineをELISAで検討し、患者ではIL13/IFN-gが有意に上昇し、TH2側に偏ることを示した。現在さらにreal-time PCR法を用いてアレルゲン特異的に発現するcytokine mRNA発現について検討中である。 2.FOXP3遺伝子の多型とアレルギー性疾患発症との関連の検討;FOXP遺伝子promoter領域の(GT)繰り返し配列多型をABI PRISM 3100 Genetic Analyzer(Perkin-Elmer)を用いて測定し、アレルギー性疾患発症頻度との関連を検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 川口博史, 柘植郁哉等: "牛乳アレルギーの診断における牛乳特異的IgE抗体測定の意義"小児科臨床. 56. 2149-2154 (2003)
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[Publications] 柘植郁哉等: "Artemisの遺伝子異常による重症複合免疫不全症"臨床免疫. 40. 13-17 (2003)
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[Publications] 各務美智子, 柘植郁哉等: "IgE結合能に基づいた魚類の関係と生物学的分類"日本小児アレルギー学会誌. 17. 180-189 (2003)
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[Publications] 柘植郁哉等: "牛乳アレルギー"アレルギー・免疫. 10. 741-744 (2003)